今季37セーブをマークした栗林の武器は“バットに当たらない球”

 今季のセ・リーグ新人王の最有力候補の1人に挙がる広島の栗林良吏投手。ルーキーイヤーから53試合に登板してリーグ2位の37セーブをマークし、防御率は驚異の0.86を記録した。新人記録となる開幕から22試合連続無失点、プロ野球2位タイの20試合連続セーブを達成し、本拠地・マツダスタジアムでは27試合に登板して無失点と驚異的な成績を残した。

 ここに挙げた成績でも、栗林の凄さは十分に分かる。ただ、細かいデータを読み解いていくと、ルーキー右腕が誇る球界トップの“凄み”が浮かび上がってくる。セイバーメトリクスの指標を用いてデータ分析などを行う株式会社DELTAのデータを用いて検証してみよう。

 栗林の異次元の能力は、打者のバットにボールを当てさせないところにある。今季は52.1イニングで81奪三振。13.93と高い三振奪取率をマークしている。対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」は、両リーグで30イニング以上投げた投手の中でも群を抜く40.3%を記録。高い割合で三振を奪っていたということになる。

 さらに、打者がスイングしてバットに当てた割合を示す「Contact%」も12球団でトップの61.4%。さらに、ストライクゾーン内のボールをバットに当てられた割合を示す「Z-Contact%」の70.3%も12球団でトップだ。とにかく、投球をバットにさえ当てさせない投手だというのが分かる。

 栗林に次ぐのが、ソフトバンクのセットアッパーだったリバン・モイネロ投手で「Contact%」が62.6%、「Z-Contact%」が70.8%。3位以下になると「Z-Contact%」が77%以上と大きく差が開くことからも栗林とモイネロの異次元ぶりが際立つ。DeNAの牧秀悟内野手とのハイレベルな新人王争いの行方が注目されるが、栗林の今季の投球は新人離れしているどころか、球界でトップクラスのものだったと言える。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。