他球団に比べて得点能力が弱いのは捕手、二塁、右翼

 今季はリーグ3位に終わり、セ・リーグ3連覇を逃した巨人。チーム打率はリーグ5位、チーム防御率も同4位と奮わなかった。V奪還を目指す来季に向けて補うべきポイントはどこか。投手を除くポジション別の得点能力から、補うべきポイントを炙り出してみたい。

 検証にはセイバーメトリクスの指標などでデータ分析を行う株式会社DELTAのデータを基にした。同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べて、どれだけチームの得点を増やしたかを表す打撃指標「wRAA」を用いた。

 巨人のポジション別wRAAは以下の通り。()内はリーグ順位。

捕手:-16.5(5)
一塁:10.5(3)
二塁:-6.9(5)
三塁:27.1(2)
遊撃:21.3(1)
左翼:6.5(3)
中堅:27.4(1)
右翼:-1.8(4)

 巨人の強みとなっているのは、2冠王の岡本和真が守る三塁、坂本勇人の遊撃、そして丸佳浩の中堅。それぞれのポジションのwRAAはリーグ1位ないしリーグ2位となっており、チームの重要な得点源であったことが分かる。一塁も途中加入の中田翔は-2.7となったが、中島宏之とウィーラーらがプラスを生んでリーグ3位。左翼もウィーラーが大きくプラスをもたらしており、リーグ3位だった。

 一方でリーグで下位だったのは捕手、二塁、右翼の3ポジション。捕手は小林がwRAAは-9.2、打撃が売りの大城も-2.6だった。二塁を主に守った吉川のwRAAは-0.5。吉川は守備面で大きな違いを生み出せる選手だけに、攻撃力を向上させることができれば、それはチームにとってプラスになるはず。捕手、二塁の得点能力はチーム浮上に必要なポイントだ。

 右翼は松原聖弥がwRAA1.8、梶谷隆幸が2.5とプラス。その他の選手でチーム全体ではマイナスに転じている。ただ、広島の鈴木誠也やDeNAのオースティンらに比べると、やや弱くなる。今オフには米独立リーグで2年連続MVPに輝いたアダム・ウォーカーを獲得。主に左翼を守る外野手で、ここでウィーラー以上の破壊力を発揮し、得点能力を押し上げてもらいたいところか。

 ただ、巨人はやはり投手力に課題が残る。守備から独立した投手の失点率を表す「tRA」はセ・リーグでワースト。先発、リリーフ共にワーストで、補うべきは何よりも投手陣と言える。前マリナーズのマット・アンドリース投手を獲得したものの、より一層の強化を図りたいポイントだろう。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。