元日本ハムの谷口雄也さんはSNSを積極的に活用してきたが…

 昨季限りで現役引退した元日本ハムの谷口雄也さんが「Full-Count」のインタビューに応じ、野球ファンのSNS利用法に苦言を呈した。自らも、ツイッターのフォロワーが29万人を超える“インフルエンサー”だ。ファンに近い存在であろうと積極的に発信してきた中で、許せないことがあったという。

 谷口さんは野球選手「ぽくない」童顔で、高い人気を誇った。カメラが趣味ということもあり、SNSを通じての発信にも積極的。ファンとの距離を縮めるような活用は、とくに球場に人を集められないコロナ禍では貴重だった。そんなSNSの達人が「これだけは言っておきたいんです」と口にしたことがある。

「今はSNS時代です。でも『戦力外』を簡単に予想しているのだけは許せなかった。『何が楽しいの? 会社をクビになるのと一緒だよ』と。特に僕は3〜4年、ずーっと続いていたわけです。そんなの、一番わかっているのだって自分ですよ」

「同じ人間。簡単に書きこむことではないと思います」

 今オフの契約更改では、中日の福敬登投手がSNSでの誹謗中傷対策を訴えたと報じられた。試合で打たれた時に脅迫メッセージが送られたのだという。報道を目にした谷口さんも「それで人間が死んでしまう時代でもあるんですよ」と同調する。

「いくら有名でも、同じ人間です。簡単に書きこむことではないと思います」

 谷口さんの11年間のプロ野球人生は、前半と後半にスパッと分けられる。2016年に膝の大怪我を負うまでは、レギュラーを争う若手選手という立場。1年間のリハビリを経て戦列に戻ってからの後半は、大きく出番を減らした。

 その中でも「2019年、2020年はやりたいようにやれたし、打ちたいように打てた」と言う。実際、2020年にはシーズン終盤まで2軍で打率4割を超えていた。それでも1軍の出番は増えず、感じるものがあった。現役生活の危機を最も感じていたのは、他でもない自分自身だ。

「僕の野球人生を華やかにしてくれたのは、ファンとメディアのおかげ」と感謝する一方で、今後は心無い言葉に傷つき、心折れる選手を減らしたいとの思いがあった。(羽鳥慶太 / Keita Hatori)