田中将大の「援護率」は規定投球回に達した投手で最少の2.31だった

 楽天に復帰して2年目を迎える田中将大投手。8年ぶりにNPBのマウンドに上がった昨年は23試合に登板、チーム最多の155回2/3を投げて4勝9敗、防御率3.01と黒星が先行する結果に終わった。株式会社DELTAが算出しているセイバーメトリクスの指標を見てみると、その理由が見えてくる。

 昨季の田中将は不運に泣いたといっていいだろう。23試合登板の内、6回3自責点以内で抑えたクオリティスタート(QS)は17度で、QS率はリーグ3位タイの73.9%。7回2自責点以内のハイクオリティスタート(HQS)はリーグ4位タイの11度だった、自身の白星に結びついたのはその内、たった1度だけだった。

 極端に打線の援護が少なかったことが、白星が伸びなかった要因だ。昨季の田中将の「援護率」(その投手が投げている間に味方が取った得点を9イニングあたりに置き換えた数値)は2.31。規定投球回に達した投手の中で12球団最少だった。一方、9イニングあたりの平均失点を表す「失点率」は3.12。差し引きマイナス0.81。好投しても白星に結び付かない理由は明白だった。

 パの投手で2番目に援護点が少なかったのは日本ハム・上沢直之の3.26点なので、いかに田中将が味方の得点に恵まれなかったかが分かる。ちなみに田中将が24勝無敗の成績を残した2013年の援護率は6.22だった。また、セ・リーグで最も援護率が低かったのは中日・大野雄大投手で2.83点。同投手の防御率はリーグ3位の2.95だったが、7勝11敗と負け越している。

 メジャーリーグではメッツのジェイコブ・デグロム投手が2018年に10勝、2019年に11勝でサイ・ヤング賞を受賞した。白星は伸びなかったが、多くの指標でリーグ上位につけたことが評価されての受賞だった。援護率はやはり低く2018年が1.99、2019年が2.60。そして15登板で7勝2敗、防御率1.08の成績を残した昨年は更に低く1.37だった。昨季は“日本のデグロム”ともいえるほど打線の援護に恵まれなかった田中将。今季は多くの援護を受けることができるだろうか。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

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 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1〜3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。