昨季は44試合で20盗塁の活躍も、5月に左膝前十字靭帯損傷で離脱

■西武 4ー0 ロッテ(19日・ベルーナドーム)

 右太もも裏の肉離れで戦列を離れていた西武・山川穂高内野手が、19日に本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦で15試合ぶりに復帰。「4番・指名打者」で出場して6回にロッテ・小島から左前打を放ち、4打数1安打で再スタートを切った。そしてもう1人、出場選手登録は見送られたが、浮沈の鍵を握る男が試合前練習に久しぶりに合流した。2年目の若林楽人外野手である。

 髪を伸ばし、あごひげを蓄えた若林は試合前、チームメートと時折言葉を交わしながら、気持ちよさそうにティー打撃やフリー打撃に取り組んでいた。

 駒大からドラフト4位で入団した昨年、開幕後間もなくして「1番・中堅」に定着。44試合で20盗塁を量産し、“独走態勢”を築いていた。打率.278、出塁率も.340をマークし、秋山翔吾外野手が2019年オフに海外FA権を行使してチームを離れて以降、固定できなかったリードオフマンのスポットに、ぴったりはまったと思われた。ところが、好事魔多し。5月30日の阪神戦で守備の際に左膝前十字靭帯損傷の重傷を負い、翌月に手術。残りのシーズンを棒に振ったのだった。

 今季も2軍で調整してきたが、ここにきてイースタン・リーグ8試合に出場し打率.357(28打数10安打)、2本塁打をマーク。1軍に呼ばれ、首脳陣が状態を直接チェックすることになった。

辻監督「無理させて怪我をさせると、野球人生に関わるかもしれない」

 ただ、辻発彦監督は慎重だ。「難しいのよ。1軍にいたらレギュラーで使ってしまう。ここで無理させて怪我をさせると、彼の野球人生に関わるかもしれない。焦らずにと思っていて、どういう風に進めていこうかと考えています。本人は『いける、いける』と言っているけれど、どれだけのスピードでいけるのか、いろいろ計測して調べてみます」と念には念を入れる方針を示した。

 山川の場合も12日から出場選手登録が可能だったが、8日の試合前練習から合流させ、状態を見守った上で復帰させた。若林は負った怪我がさらに重傷でリハビリ期間も長かった。快足を生かして走攻守全てにおいて高いパフォーマンスを発揮できる選手だけに、なおさら慎重になるのもわかる。今季2軍戦でも盗塁企図はまだ1つもない。

 今季の西武の1番は、定着を期待された鈴木が打率.203(19日現在)と低迷。17日のオリックス戦では源田、19日のロッテ戦では山野辺が1番を務めた。“新スピードスター”が本来の姿で戻ってくるのはいつか──。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)