入団1年目の立浪監督を知る中尾孝義氏、星野氏が指揮を執っていた

 就任1年目の立浪和義監督率いる中日が健闘している。昨季5位に沈み、開幕前の下馬評は決して高くなかったが、25日現在で12勝10敗。セ・リーグ3位につけている。新指揮官の指導力も光っている。中日OBでリーグ優勝した1982年に正捕手としてMVPを受賞した野球評論家の中尾孝義氏が分析した。

 昨季の中日はリーグトップのチーム防御率3.22を誇った一方で、チーム打率は同ワーストの.237、チーム本塁打に至っては唯一2桁の69本で“投高打低”が顕著だった。今季開幕直前には高橋周平内野手が故障で離脱。それでも、大島洋平外野手がリーグトップの打率.362をマークし、阿部寿樹内野手も4月前半に7試合連続打点をマークするなど、貧打の印象を払拭している。中尾氏は「もともと投手陣は安定していて、どれだけ野手が得点できるかが課題でした。去年のチーム状態からすると、もうちょっと悪いかなと思っていましたが、開幕から1か月を経過した現時点では合格点でしょう」と評価する。

 立浪監督は昨秋の就任当時から髪型など身だしなみにも言及。厳しさを前面に打ち出したところは、中尾氏と立浪監督の共通の恩師である故・星野仙一氏の中日監督就任当時を彷彿とさせるという。「立浪監督はPL学園高時代から厳しい環境でやってきて、プロ入り当時の星野監督からも『ニタニタしている奴は使わない』と言われていましたからね。“星野魂”ですよ」と見ている。

“立浪竜”の特徴は、若手の積極起用にも表れている。高卒3年目の石川昂弥内野手は開幕から全試合に三塁手として先発出場。同学年の岡林勇希外野手も規定打席をキープしている。ドラフト2位ルーキー・鵜飼航丞外野手も12試合に先発。投手では高卒2年目、19歳の高橋宏斗投手が既に2勝を挙げている。

 このあたりも“星野流”を思わせる。立浪監督自身、高卒1年目の1988年に中尾氏らとともに開幕スタメンに名を連ね、シーズン終盤には疲労から打率を落としたものの規定打席に到達。新人王とゴールデングラブ賞を受賞した。「星野監督は立浪が将来、中心選手になると感じ取っていたのだと思います。育てるために我慢して使い続け、立浪もそれに応えました」と中尾氏は振り返る。特に石川昂の姿が立浪監督の現役1年目と重なるそうで、「石川の勝負強さは立浪監督も感じていると思います」とうなずく。

 1年目に新人王を受賞し、リーグ優勝も経験した立浪監督。育てながら勝つことは至難の業だが、指揮官として戦力を底上げしながら優勝に導くという難題に挑んでいる。(Full-Count編集部)