飛距離が20%以上伸びるバットが超野球専門店CVでは売上好調

 少年野球用のバットは研究開発が進み、年々高性能となっている。近年トレンドになっているのは「高反発バット」だ。飛距離が出て“打つ楽しみ”を感じられる一方、しっかりミートしなければ飛ばない木製バットへの対応が遅れるといった意見もある。野球用品専門店の店長は“飛ぶバット”で飛距離を出すにも実は一定の技術が必要で、使い方や考え方が大切になると説く。

 千葉・鎌ケ谷にある超野球専門店「CV」でも、少年野球向けの高反発バットの売上が伸びている。1本4万円以上するものもある中、売れる理由は飛距離だ。素材にカーボンやウレタンなどを使っており、金属バットと比べて20%以上遠くに飛ばせるとうたう商品もある。昨年末に行われた小学生軟式の全国大会「NPB12球団ジュニアトーナメント」でも、多くの選手が高反発バットを使い、前年比で3.6倍の本塁打が飛び出した。

 高反発バットには長打や本塁打の確率を上げる効果が期待されるが、誰でも簡単に扱えるわけではないという。「CV」の中村勇太店長は「素材的に飛びやすいとはいえ、正しい角度でバットに当てないと打球は飛びません」とキッパリ。そして、「飛ばす楽しさを覚えると、バッティングが好きになると思います」とメリットを口にする。

「木製への対応が遅れる」高反発バットの弊害を指摘する声も

 一方、高反発バットの弊害を指摘する声もある。その1つが、木製バットへの対応の遅れだ。木製バットは芯に当たらないと飛距離が出ない。高反発バットに慣れてしまうと、芯に当てる感覚を磨けないという考え方もある。

 最近は高校野球でも、使用するバットを「飛ばない」米国製の金属か、木製に限るリーグが誕生している。パイレーツの筒香嘉智内野手も「反発係数の規定を設けるべき」と提言している。こうした動きや指摘には中村店長も理解を示し、高反発バットを使う際の注意点を挙げる。

「しっかり振りぬいて、打球が飛んでいく分には問題ありませんが、体勢を崩されても当てた角度によっては打球が“飛んでしまう”ことがあります。そして、子どもがそれを実力と勘違いしてしまうケースもあります。大人が『バットの性能のおかげかどうか』を判断した上で、使うことをおすすめしています」

「CV」では2年ほど前から、木製バットを購入する中学生が増えている。中村店長は「将来プロや社会人などを目指すなら、早く木製に慣れておくのも良いと思います」と語る。大事なのは、どこを目指すかだ。高反発バットに限らず、どんなものにもメリットとデメリットがある。(川村虎大 / Kodai Kawamura)