22日の決勝弾も日々、他の選手の映像をチェックしていたからこそ

■ソフトバンク 3ー2 ロッテ(22日・PayPayドーム)

 22日にPayPayドームで行われたロッテ戦で決勝の2ランを放った柳田悠岐外野手。一発を放った直後に「ファイターズの宇佐見選手のスイングのイメージで打席に入った結果、ホームランを打つことができました」とのコメントを球団を通じて発表し、ちょっとした驚きを誘っていた。

 4回の攻撃だった。先頭の今宮が右前安打で出塁し、打席に入った柳田。ロッテ先発のロメロが投じたスライダーを捉えると、打球は左中間スタンドへと飛び込んだ。2連敗中だったチームの重苦しい空気を振り払う一撃。打った瞬間に柳田はバットを掲げ、本塁打を“確信”して歩き出した。

「あんまり振ってないんですけど、芯に当たったので良かったです」。試合後にこう振り返っていた柳田。“宇佐見打法”の中身について「打席に立つ直前にパッと頭に出てきました。なんかしっくりきそうやな、と」と淡々と語ったものの、ここに柳田の凄さが隠されている。

 球界最高の打者に成長しながらも、いつも貪欲に他の打者から何かを吸収しようと励むのが柳田悠岐という男。お立ち台などで見せる姿やコメントなどから明るく、陽気なキャラクターの印象が先に立つものの、こと野球に関しては真面目で勉強熱心だ。

自主トレでも後輩に経験を伝えるだけでなく、後輩から何かを吸収しようとする

 スコアラー室で相手投手の配球や自身のフォームをチェックするだけでなく、空いた時間に他の選手の打撃フォームの映像も頻繁にチェックする。オリックスの吉田正尚外野手や阪神の佐藤輝明内野手といった球界を代表する強打者はもちろん、日本ハムの宇佐見真吾捕手もその中の1人だった。

 普段から他の選手のフォームを研究し、自らの引き出しに加えている柳田。自主トレでも年下の選手に経験を伝えるだけでなく、後輩からでも何かを吸収し、自らの成長に繋げようとする姿勢も目立つ。決して驕らず、慢心しない。「他の人の映像は見ているので、その中でスムーズに行きそうやな、と。そういう感じです」。日々、積み重ねているからこそ、ふとした時にイメージが湧いてくる。柳田の“凄み”が詰まった一撃だった。

 自ら球団を通じたコメントで宇佐見を参考にしたことを明かしていた。にも関わらず、ヒーローインタビューで「宇佐見選手を参考にしたようですが?」と問われて「なんで知ってるんですか?」と、すっとぼけたところも“柳田らしさ”。「ありがとうございます! 宇佐見選手!」と、素直に感謝するところもまた周囲に愛される素養だ。

 24日からは交流戦が始まる。昨季、ソフトバンクは5勝9敗4分と大きく負け越し、球団ワーストタイの11位に終わっている。柳田は「去年はあまり勝てなかったので、今年は勝てるように頑張りたい」という。打撃の状態も徐々に上がりつつある。18試合にわたる交流戦。過去2度、MVPに輝いている柳田の打棒爆発を期待したい。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)