初回、内野安打で二塁から一気に先制ホーム

■日本ハム 11-4 ヤクルト(15日・札幌ドーム)

 日本ハムの大田泰示外野手が15日、足とバットで交流戦首位のヤクルト撃破に貢献した。

 初回、まずは快足で試合を動かした。中前打で出塁すると、近藤の投ゴロで二塁に進む。続く中田翔の打球はワンバウンドでカラシティーの頭上を越えていくボテボテの当たり。二走の大田は打球を目で追わず、一度もスピードを緩めることなく三塁を蹴った。捕球した二塁の三輪正義が体を反転させて一塁へワンバウンド送球する間に、一気に本塁を陥れていた。

 内野安打で二塁から生還する圧巻の走塁。大田と緒方耕一野手総合コーチの判断が完全に一致した。大田は振り返る。

「(打った瞬間の)打球の質と、走っている中でショートが捌くだろうという打球イメージがあった。内野手は力いっぱい投げるだろうし、ファーストは一生懸命伸びて捕ったりして、隙が生まれるところ。そういうところを狙っていけば、ヒットがなくても点が取れる。それが勝負の1点になったりする。チーム単位でやろうとしていることの表れ。(三塁コーチャーの)緒方さんが回してくれると思って走っていった。お互い行くつもりで行って、1点が取れた」

 ある意味、きれいな適時打よりも相手にダメージを与える先制点でチームを勢いづけた。

 さらに、同点で迎えた7回、今度はバットで勝ちを呼び込んだ。2死二塁でバットを折りながら中前へ勝ち越し打。「塁上が空いているし、強引になり過ぎないように、間に落とすとか、間を抜くイメージだった。体がしっかり反応して、いいところに落ちてくれた。結果的にいい場面で打てて、(その後)みんなが流れで打ってくれて、いい一打になったと思う」と胸を張った。

感じるチームのつながり「今ファイターズは“打線”になっている」

 2番に定着した今季、下位から回ってきた好機で返す場面は多い。すでに昨季の46打点に迫るリーグ6位の39打点を挙げている。「(下位打線の)先頭が出て、送って、(西川)遥輝がこうなってとイメージしやすい。流れの中で心の準備ができるので、心に余裕があって、いい結果が生まれやすい」と自己分析する。

 交流戦に入って打線は活発だ。9番・中島、3番・近藤、4番・中田が好調で、1番・西川の出塁率も高い。「下位もみんな頑張って、追い込まれてから四球を選んだり、タク(中島)が送ったり、遥輝が走ったり。いい感じに“打線”になっている。つながりがあるので、その中で僕も打たせてもらっている。“点”で行くと、得点圏でもなかなかヒットが出ないけど、今ファイターズは“打線”になって、束になって取りにいくという形がすごくいいなと思う」と充実感たっぷりに語る。

 自身も打率.273と好調。「ランナーがいなくても、メークできたり、やりたいことがイメージ通りできている。しっかりボールに反応できて、ヒットになっているので今はいい。あまり(ヒットを)欲しがらずに、継続して謙虚にバッティングを進めていけば、必然的にホームランも、いいところでの1本も出ると思う。出なかったとしても、今の感じを継続したい」と迷いはない。

 打って走れる2番打者は、好調打線の中でも一際輝きを放っている。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)