昨季は8選手が4番に、今季は固定できるのか

 巨人は高橋由伸新監督のもと、V奪回へ向けてスタートする。各地での自主トレーニングも終盤を迎え、1月末から宮崎で合同トレーニングを開始。高橋監督も「個人のレベルアップを求めていきたい」とチーム全体の力の底上げを目指していく。

 やはり一番のウイークポイントは打力。チーム打率.243はリーグ最低だった。防御率は12球団トップの2.78であることを考えれば、打力の強化は白星に直結してくる。カギを握るのは4番は誰が打つのか、という点だ。

 昨年の4番打者を見てみると阿部慎之助(53試合)、坂本勇人(48試合)、亀井善行(17試合)、長野久義(11試合)、大田泰示(10試合)、アンダーソン(2試合)、村田修一、中井大介(それぞれ1試合)と8人もの選手が座った。

 昨年の背景を見てみると、まずキャンプからオープン戦にかけてのチームの構想は「4番・大田」の夢プランがあった。前年の2014年終盤に打撃の変化が見られ、飛躍を期待。オープン戦、練習試合と序盤は成績を残していた。

オープン戦で負傷した大田、故障離脱に影響された4番起用

 しかし、大田自身も調整という位置づけではなくキャンプから全力で挑んでいた代償だったのか、3月のソフトバンクとのオープン戦の走塁で太ももを負傷。チームを離脱し、構想は崩れた。首脳陣の中ではオープン戦で結果を残せば、育成する意味でも我慢しながら開幕から4番を任せる考えもあったほどだった。

 開幕はファーストに転向した阿部が入ることで収まった。阿部に休養を与えるため、4月11日には、坂本がプロ入り初の4番に入った。以降しばらく座っていたが、4月29日にふくらはぎの張りで欠場。将来性を見込み、中井が起用されるも結果を出せず、代わって大田がそこから10試合務めた。

 大田はホームランこそなかったが、ヒットを量産し、打率.395をマーク。坂本の復帰に合わせて打順を譲ったが、期待を持たせた。そこから坂本、調子が上がってきた亀井、亀井が負傷離脱すると阿部、アンダーソン、時に村田と起用していったが、結局は固定されず、最後のクライマックスシリーズは阿部が務めた。こう振り返ると4番はケガによる離脱と密接に関わっていたことが分かる。その意味でも今季はタフな4番が求められる。

 今年は誰になるのか――。

新戦力と成長期待の若手、意地を見せたいベテランも

 大方の予想としては昨年、全く固定できなかった背景から、新戦力への期待がかかる。パイレーツで4番を務め、ヤンキースなどでも大きなアーチを描いたメジャー122発のギャレット・ジョーンズが現状では筆頭候補。阿部がどこまで状態を上げていけるのかもポイントとなる。

 3連覇したシーズン(2012〜14)も決して固定はされていなかったが、好不調を見ながら阿部、村田が中心となっていた。ジョーンズと阿部が軸となっていければ、打順に安定感は出てくるだろう。

 ただ、蓋を開けて見なくては分からないのが新外国人。これまでも日本球界にやってきたメジャーリーガーが活躍せずに帰国したケースが多くあるのは周知の事実だ。ジョーンズ、阿部の2人以外に名前が挙がるのは、昨年の経験を生かしたい大田と、未来の主軸候補の岡本和真の2人。キャンプに臨時コーチとして訪れる松井秀喜氏から金言はあるのか。4番ジョーンズという構想のまま、開幕を迎えるのか。それとも昨年のように不安定のままになるか。

「まだできる選手もいるし、チームとして新戦力、競争も必要になってくる」と話す新指揮官の言葉からすると村田修一も意地を見せたいところ。選手たちのキャンプでの動きと高橋監督の采配も注目したい。