この日は“イチローフィギュア”が先着2万人にプレゼント、イチロー氏は即席サイン会で対応

 マリナーズのジェリー・ディポトGMが28日(日本時間29日)、本拠地でのアスレチックス戦を前に日本報道陣の質疑に応じ、5月から球団の会長付特別補佐兼インストラクターに就くイチロー氏について言及。「来年フィールドにいないとなればそれは衝撃的なことだ」と話し、若手の模範となる同氏との来季以降について最善を尽くす構えを示した。

 3月21日の東京ドームでの開幕シリーズ、アスレチックスとの第2戦後に現役生活に終止符を打ったイチロー氏。昨季5月に一度ロースターから外れた際と同様の会長付特別補佐という肩書きに加え、「チームのインストラクター」という役職が加わったのが5月1日。それ以降、マリナーズが遠征に出るとシアトル郊外のタコマを本拠地とする傘下マイナー3Aのレイニアーズで若手に指導をする日々を重ねてきた。

 メジャー通算3089安打、509盗塁、ゴールドグラブ賞10年連続受賞という輝かしいキャリアを誇る偉大な背番号「51」は、野球への取り組み方でも敬われる存在として組織の末端にも浸透していった。

ディポトGM「もし彼が戻って来ないとなれば私の落胆はとても大きい」

 イチロー氏は指導者としての就任会見を行った際、「何ができるかも分からない」と未知の世界に不安も覗かせていたが、6か月の時を経て、再建を目指すチームにとって舞台裏のキーパーソンとなった。ディポトGMは言う。

「彼は(コーチとして)してきたことに愛着を持ったと思うし、我々は彼を必要としている。もし彼が戻って来ないとなれば私の落胆はとても大きい。戻ってきてくれるはずだ」

 イチロー氏の来季は既定路線と受け取られているが、同GMは慎重に話す。

 この日は人気沸騰のファンコ社製のフィギュア・シリーズ「POP!」の「Ichiro POP!」が来場先着2万人に配られた。つぶらな瞳が印象的な高さ9センチのソフトビニール製。7月に殿堂入りを果たしたかつての同僚エドガー・マルティネス氏に続くマリナーズ第2弾だ。右手でバットを立て左手でユニホームの袖を引く独特のポーズの人形を収めた箱を手に群がるファンに、イチロー氏は即席サイン会で対応。寒風が吹きすさぶ試合前のスタンドで、そこだけは熱気に包まれた。

 地元シアトルのファンにもイチロー氏は絶対的に“必要”な存在である。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)