来季は背番号94→60に変更 中継ぎと先発で自己最多の28試合に登板

 楽天の石橋良太投手が20日、仙台市内の球団事務所で契約更改交渉を行った。今季の700万円から3倍以上となる2600万円でサイン(金額は推定)。一時は育成を経験したが、4年目の今季は開幕1軍入り。中継ぎと先発で自己最多の28試合に登板し、8勝を挙げて大幅アップを勝ち取った。

 飛躍の1年だった。開幕から1軍に入り、中継ぎを担うと5月からは先発ローテーションを守り、最後まで駆け抜けた。28試合に登板(うち19試合に先発)し、8勝7敗、防御率3.82。昨季まで未勝利の右腕は「ずっと1軍にいられると思っていなかったので嬉しかったです。毎日、勉強だった。とてもいい経験をさせてもらったと思います」と喜んだ。このブレイクにあやかり、球団は2膳セットで1940円(税込)の「チャンスを掴む! 石橋(石箸)」を制作。24日のファン感謝祭では今季までつけた背番号94にちなみ、94セットが発売されることが決まった。

 石橋は2015年のドラフト5位で社会人野球のホンダから入団。1年目は6試合に登板した。しかし、2年目は1軍登板がなく、オフには育成契約に。3年目のシーズン途中で支配下となったが、1軍には呼ばれなかった。「1回、どん底というか、育成になって。正直、今年の1年が最後かもしれないと思って、精一杯やりました」と、背水の陣だった。

 だからチャンスは離さなかった。ロッテとの開幕戦では4番手で登板したが、2点リードの6回にレアードに逆転3ランを打たれ、敗戦投手になった。「あそこでホームランを打たれて終わったと思った」と石橋。しかし、2日後のロッテ3回戦では2番手でマウンドに向かうチャンスを得た。3回途中から5回まで1安打無失点と流れを渡さず、味方の援護もあってプロ初勝利を手にした。「あそこで抑えられたのが大きいかなと思います」。すぐに巡ってきたチャンスで結果を示した。

 カットボール、カーブ、フォークと変化球が多彩な石橋だが、道を切り開いたのはシュートの習得だ。「右打者に思い切って放れるようになりましたね。とにかく、ビビらなくなりました」と、大きな武器を手にして打者に向かっていった。

 石橋の必死な姿勢は球団にも届いた。安部井寛チーム統括本部長は「キャンプインから気迫を感じる練習態度だった。ブルペンを見ていても、ゲームで投げているようで印象に残っています」と回想。そして、「大事なのは思い。支配下から育成になった時の思いや、今年1年の思いなどを忘れずに来年以降も炎を持ち続けることは大事だよね、という話をしました。今年見せてくれたものを来年以降も続けてほしい」と期待する。

 今季について石橋自身は「なんでもやるという気持ちで毎日、必死に頑張れたからかなと思っています」とうなずいた。背番号が「94」から「60」に変わる来季に向け、「今年はずっと1軍にいたいという気持ちでやっていたので、来年も同じ。とにかく、どんな形でも1軍にいたいです。開幕1軍を目指して頑張ります」と語気を強めた。地に足をつけ、さらなる飛躍を目指す。(高橋昌江 / Masae Takahashi)