潮崎編成Gディレクター「ウチの打線なら5回2失点で勝てる可能性高い」

 西武に14年ぶりに復帰した39歳の松坂大輔投手が、周囲の予想をはるかに超えるハイペースで調整を進めている。中日に在籍した昨季、右肩を痛めて1軍登板がわずか2試合に終わった投手とは思えないほどだ。

 6日には、宮崎・南郷キャンプで2度目のブルペンに入り、捕手を立たせて31球、捕手に片膝を立たせた中腰の状態で16球を投げた。

 旧知の仲で、現役時代に現在の松坂と同じ背番号16を付けていた潮崎哲也球団編成グループディレクターは「(松坂の状態は)予想していたより、ずっといい」と評した上で、今季の成績について「どうだろう? 5勝でもしてくれたら、チームは助かるけどね」と言及。そして、こう続けた。

「完投なんていらないんだよ。ウチの打線をもってすれば、5回2失点に抑えておけば、勝てる可能性は高くなる。リリーフ陣も“勝ちパターン”の投手は安定しているからね。(2005年の阪神の)下柳(剛)のように、規定投球回未満で最多勝、なんてこともあるかもしれないよ」

 規定投球回は、最優秀防御率のタイトルを獲得するには必要で、通常はチーム試合数×1.0で求められる。しかし、最多勝に関しては必須条件ではない。

規定投球回未満の最多勝は88年ヤクルト伊東、05年阪神下柳の2例がある

 規定投球回未満での最多勝獲得は過去2例ある。1988年にヤクルトの伊東昭光が122回2/3(規定投球回130)で18勝を挙げて戴冠。2005年の下柳は132回1/3(規定投球回は146)で15勝をマークして最多勝に輝いた。同年の下柳は全て先発で24試合に登板したが、完投は1度のみ。1試合あたりの平均投球回は約5.5に過ぎなかった。

 昨季リーグダントツのチーム打率.265、総得点756を誇った西武の“山賊打線”。秋山翔吾外野手がレッズに移籍したとはいえ破壊力は十分。強力なバックが松坂が白星を稼ぐのに追い風になる。

 この日は、松坂とは現役時代から昵懇の仲の巨人・友利結(デニー友利)編成本部海外スカウト担当が視察に訪れていた。友利氏も「松坂の状態は、ここ数年で一番いい。この時期としては、(6勝してカムバック賞を受賞した)一昨年よりもいいんじゃないかな。肩と股関節があれだけ動くのなら、かなりやれそう。いまは、もっと投げられるけれど抑えている感じ」とうなずいた。

 当の松坂も「無駄な力が入っていたけれど、無駄な力を入れられるくらい元気だということで」と笑顔を見せた。

 タイトル獲得となれば、2005年の最多奪三振以来15年ぶり。プロ22年目、9月に40歳を迎える右腕が最多勝となれば大きな話題を呼ぶだろう。夢のような快挙を現実として語れるほど松坂の調整は順調だ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)