高橋光は金言授かる「『極端なことをやってみろ』と言われた」

 西武に14年ぶりに復帰した松坂大輔投手といえば、1998年に横浜高のエースとして甲子園春夏連覇。特に夏は準々決勝のPL学園で延長17回250球で完投勝利、決勝では京都成章を相手にノーヒットノーランを達成するなど、数々の超人的な伝説を残し、同年のドラフト1位で西武に入団した。

 いま西武には松坂以外にも、甲子園優勝投手が2人いる。いずれもドラフト1位入団である。

 2013年に2年生エースとして前橋育英高(群馬)を甲子園初出場初優勝に導き、翌14年のドラフトで1位指名を受けた高橋光成投手は昨季、初の2桁勝利(10勝6敗、防御率4,51)をマーク。今月3日に23歳となり、今季は先発の柱としての役割を期待される。

「松坂さんは僕が小学生で野球を見るようになった頃の、メジャーで活躍されていた印象が強い」と言い、「すごい経験をされてきた方なので、あらゆることを盗んでいきたい」と貪欲だ。宮崎・南郷キャンプでは「第2クール(今月6日以降)くらいからお話しさせていただいています。もちろん緊張しますよ。調子の悪い時に打者をどう抑えるかは、今季の自分のテーマなので、いろいろ聞かせていただいています」と語り、その会話の一端をこう明かす。

「『オープン戦は試せるチャンスだから、極端なことをやってみろ』と言われました。確かに、今までの僕は調子が悪い時には、開き直ることしかできなかったけれど、変化球ばかりを投げるとか 逆にストレートだけでいくとか、それくらい極端にやらないと変わらない。そうすれば、いろいろヒントを得られるし、打者のタイミングが合わずに抑えられることもあるかもしれませんよね」

 甲子園優勝投手という点で松坂と共通しているが、高橋光は「そんなの、位(くらい)が違う」と苦笑を浮かべるばかりだ。

今井はやや気後れ「まだ具体的なことは…徐々に聞けたらいいな」

 一方、作新学院(栃木)のエースとして16年夏の甲子園を制したのは、同年ドラフト1位で入団した21歳の今井達也投手。昨季は7勝9敗、防御率4,32で、今季は先発ローテの座確保がノルマとなる。

 こちらは「松坂さんとは、まだ具体的なことは話せていない。徐々に徐々に聞けたらなと思います」とやや気おくれ。それでも「ボストン(レッドソックス)の時の印象が強い。特に投球フォーム。普通の投手は投げ終えた後、足を跳ね上げるようにしますが、松坂さんは逆に下へガンと沈む。相当下半身が強くないとできない投げ方だと思います。その分強いボールが行くのではないか。僕はあんなに下半身が強くないので真似できない。今後、フォーム的なことや、投げる際の下半身のタイミングの取り方などを聞いていきたいです」と“松坂研究”に余念がない。

 自身の全国制覇との比較については「僕はそんなに大したことを毎試合したわけじゃない。(松坂は)球数もイニングも僕と違う。決勝でノーヒットノーランを達成できたということは、当時頭ひとつどころか、頭3つ4つ抜けていたのかな」と尊敬の念を抱く。 

 甲子園優勝経験者にとっても、松坂の存在はやはり別格。生きた教材としてチーム内外から熱い視線を注がれ続けている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)