独占インタビュー・上「現役に長く居座ろうとは思わない 細く長くなんて“熱男”じゃない!」

 宮崎キャンプに突入したソフトバンクの「熱男(あつお)」こと、松田宣浩内野手。最近6年で5度日本一に輝いているチームだけでなく、今夏の東京五輪に挑む侍ジャパンでもリーダーの役割を期待される。昨季オフの契約更改では、5000万円増の今季年俸4億5000万円プラス出来高(推定)の2年契約を結んだが、実は球団からは4年契約を打診され、あえて断っていた。キャンプ前に応じてもらったFull-Countのインタビューで、思いのたけを語った。

──オフの契約更改では、球団側から提示された4年契約を断り、2年契約にとどめた。今年5月に37歳となる中で、長期保障を断った真意は?

「まず、2年を選びましたけど、4年契約を提示してくれた球団には感謝しています。球界はこの1、2年、選手寿命が短くなっている気がしていて、ちょっと前まで40歳を越えた人がざらにおったのに、逆の風が吹いているというか、35歳を越えたらどっさり切られる時代になってきていますからね。これまで頑張ってきたよかったなと思います。ただ、4年にして、最初の1、2年がもったいなく終わってしまったら、これまでやってきたことが台無しになるという思いがありました。

 僕は、1年棒に振ってもまだ何年かある、という考えは嫌です。何歳までやろうとかは考えていませんが、この1、2年バリバリできたら、当然ユニホームを脱ぐ必要はなく、3年目、4年目につながる。ピッチャーだったら、肩の消耗とかあるので、(長期契約を結んでも)いいと思うけれど、僕は野手として、毎年全試合出場を心がけてきた。この年齢だからこそ、4年スパンより2年スパンの方がいいと思いました。ずっと試合に出ながらやってきて、代打とかはやったことないので、そういうのも難しい。契約に甘んじてダラダラするのもね……。成績を残せなくなってもなお長く居座ろうとは、思わないです」

──太く短く?

「はい。太く短くの典型でありたい。細く長くでは、熱男じゃなくなりますから」

「若い選手もよく『30本塁打を狙う』とか言いますけど、『打ってみろ』と言いたい」

──昨年まで5年連続全試合出場は価値が高い

「そうですね。連続してある程度の数字を出せたことが重要です。ここからはもう、3割とか、40本塁打とか100打点とかより、レギュラーとして出続ける中で、すべて標準より上でいきたい思いでいます」

──その中で、今年の目標に「3年連続30本塁打と東京五輪での金メダル獲得」を掲げている。本塁打へのこだわりは強い?

「僕が自信を持っているのは、2年連続30本塁打を打てているところ。若い選手もよく『30本塁打を狙う』とか言いますけど、『打ってみろ』と言いたい。これは経験者だから言えると思うんですけど、並大抵のことでは無理ですよ。僕はどれだけ難しいかをわかりながら達成しているんで。そういう意味で、若い選手の壁になりたい。だから『3年連続30本』と口にし、それだけの準備と用意をしています。実際、痛いところはないし、今の感じでは、打てる自信もあります」

──チームは最近6年で5度の日本一。黄金時代だ

「球団の方にも、チームメートにも恵まれました。プロ野球選手にはなれても、優勝経験はないという人の方が多い中で、昨年までに(ソフトバンクの球団買収後)日本シリーズでセ・リーグ全チームに勝った。なかなかないタイミングまでやらせてもらって、すごく幸せです。これは自分が頑張ってきた成果でもあるし、現状に満足することなく“2周目”に行きたいと思います」

(後編に続く)(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)