阿波野投手コーチは熾烈な先発ローテ争いに手応え「チーム内競争ができる状況になってきている」

 7年連続Bクラスからの脱却を目指す中日にとって、スタートダッシュは欠かせない。先発陣では、エース左腕の大野雄大が開幕投手に内定。さらに昨季チーム最多11勝を挙げた柳裕也ら若手の頭数は豊富。キャンプからオープン戦へと進行する中で、今季の開幕ローテの顔ぶれを予想した。

「チーム内競争ができる状況になってきている」。春季キャンプ最終盤、先発ローテ陣について阿波野秀幸投手コーチはそう頷いた。3月20日の広島との開幕戦(マツダスタジアム)のマウンドは、大野雄に任せることが決定。2番手以降の候補ついて問われると、「柳なんかもいるし」と続けた。

 柳は大野雄と共に左右のエースとして期待がかかる存在。オープン戦の登板間隔から考えて、3月24日からの巨人3連戦(ナゴヤドーム)での起用が確定的。柳自身は「先のことは何も言われていません」と言うが、本拠地開幕への思いは強い。2018年に同じ巨人相手にホーム初戦の先発を任され、4回途中4失点でKOされた。「やり返したいし、ナゴヤドーム開幕で投げたい気持ちはあります」と言い切る。

 この2枚看板に続く存在として、伸び盛りの若手たちが揃う。昨季左肩痛から復帰した22歳の小笠原慎之介と、プロ3年目の20歳で身長167センチ右腕・山本拓実の2人は、今後のオープン戦で大崩れを繰り返さない限りはローテ入りを果たしそう。その山本は「ローテを狙える立場にいることはありがたいし、狙いたい。今は自分がダメになって2軍に落ちるというイメージもない」と自信をみなぎらせる。

助っ人ロメロは左肩の炎症で離脱、梅津は故障で出遅れもドラ3岡野らがアピール

 キャンプ当初の想定では、2年目の助っ人左腕エンニー・ロメロも計算に入れていたはず。広島3連戦は「大野雄、山本、ロメロ」、巨人3連戦は「柳、小笠原」と並び、最後の6枠目はベテランの吉見一起、山井大介のいずれか。そんな青写真ができあがりそうでもあったが、ここにきてロメロは左肩の炎症で離脱。チームにとっては痛手だが、若手にとっては大きなチャンスになりそうだ。

「投げている球は一番エグい」と周囲が口をそろえるのは2年目右腕の梅津晃大。ただ、キャンプ終盤に右肘の張りで調整に遅れが生じ、オープン戦初登板となった3月1日の広島戦(ナゴヤドーム)でも1イニング3失点。将来を嘱望される存在なだけに、首脳陣は無理させない可能性はある。その広島戦で存在感を見せたのが新人だ。ドラフト3位右腕の岡野祐一郎(東芝)は2イニングを無失点。加えて、8年目の福谷浩司や昨季の開幕投手を務めた笠原祥太郎らキャンプ2軍だった面々も控えている。

 一方で、開幕段階ではローテを6枚揃えないという“奇策”も、日程的には現実味を帯びる。中日は開幕の翌週こそ6連戦(24日から巨人3連戦、27日からDeNA3連戦)だが、それ以降の3週間は6連戦がなく比較的余裕をもって先発陣のやりくりができる。そこで開幕投手の大野雄を中5日で26日の巨人3戦目に回すことができれば、カード初戦で他球団のエース級と当たり続けることも回避できる。さまざまな選択肢がある中で、投手王国の再編に向けた陣容を整えていくことになる。(小西亮 / Ryo Konishi)