昨季は不当転売を確認した70名以上のファンクラブ会員などを退会処分

 西武は12日に「埼玉西武ライオンズ公式 チケットリセール by チケット流通センター」をオープンした。これにより、インターネット上でのチケット売買を、球団公認でできるようになる。今回は公式リセールオープンの背景、リセールとはどのようなメリットがあるのかを球団担当者のコメントとともに紹介したい。

 昨今、チケットの買い占めや不当な高額転売が問題視されているが、株式会社西武ライオンズでマーケティングを担当する遠藤靖士さんはこう見ている。

「純粋に試合を観戦したい方が、チケットを定価で買えないという状況が発生していることは課題として捉えています。また、定価で購入できなかった方が、来場されるために高額転売のチケットを買っている状況も課題です。この状況が、ファンのみなさまの満足度の低下につながっていると考えます」

 ファンからも、この問題に関する意見が2017年クライマックスシリーズ以降に増えたという。事態を重くみた球団は「試合観戦契約約款」に基づき、球団が公式の販売窓口以外でのチケット販売は認めないこととし、昨シーズンは不当な転売が確認できた70名以上のファンクラブ会員やチケット会員を退会処分とした。

 その一方で利益を目的としない“友人・家族間などの譲渡は転売行為ではない”としていたが、球団には「身近に譲る人がいないが、席が空いてしまうことが心苦しいため、二次流通サイトやSNSで譲った」という意見も届いていた。そこで来場者がチケットを適切に譲渡できる場を設けるべく、今回の公式チケットリセールサイトのオープンに至ったのだ。

リセールが広がっていけば空席の減少へも繋がることが期待される

 今回の公式リセールのメリットは、球団が定めた適切な価格で取引の場に出せること、一次販売で完売となっていても適正価格で購入する機会を得られることが挙げられる。

 リセールが活用されていけば、来場可能なファンの手にこれまでよりもチケットが渡りやすくなり、空席も減っていくだろう。そして席が常に埋まるようになると、グッズやスタジアムグルメの売上向上といった球団にとってのメリットも予想されるが、遠藤さんはあくまでも「ファンの皆様がチケットを適正な価格でお買い求めいただくことが、ファンの皆様や球団にとっても優先すべき内容」と、公式リセール開設を不正転売防止につなげたいと考えている。

 さらに「安心してチケット購入・試合観戦をしていただくために、日々検討を続けております」と遠藤さん。2020シーズンは「ライオンズオンラインチケットショップ」での会員登録を必須化。ちなみに「埼玉西武ライオンズ公式 チケットリセール by チケ流」も会員登録が必要で、売り手に関しては本人確認も必須になっている。

 これまでであれば「行きたかったけど、行けなくなった」と立ち行かなくなったチケットが、「埼玉西武ライオンズ公式 チケットリセール by チケ流」によって安心して譲渡できるようになり、「完売になっているけど、この試合に行けないかな?」と思い立ったときも適正な値段でチケットが手に入る可能性がある。つまりは、「行こうか迷っている試合があるが、リセールできるしとりあえずチケットを買っておこう」と、チケットを買うこと自体の心理的なハードルも低くなるのだ。今シーズンの試合観戦に、球団公式リセールを利用してみるという選択肢を入れてみてはいかがだろうか。(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)