アロマにも興味!? 後半戦巻き返しへのキーマンが見せる飽くなき向上心

 昨シーズン、オリックスの新人選手で31年ぶりとなる2桁10本塁打を放った吉田正尚外野手。腰椎椎間板症で出場は63試合にとどまったが、シーズン終盤に本塁打を量産。オフには台湾で行われていたアジア・ウインターリーグに参加し、打率、安打、本塁打の3冠で最優秀打者に選出。持ち味のフルスイングでファンを魅了した。

 今季は腰痛の再発で開幕1軍を逃したが、今月9日に1軍に初合流すると同日のロッテ戦でいきなり2安打2打点と活躍。前半戦の4試合で14打数5安打1本塁打4打点、打率.357と復活への一歩を踏み出した。ここまで腰痛に苦しんできた23歳は痛みの再発を防ぐため、どのようなことに取り組んでいるのか。プロの世界で飛躍を目指すスラッガーに話を聞いた。

 吉田は腰痛の防止に向けてトレーニングだけでなく、私生活から注意を払っているという。常にお腹に力を入れて圧を高め、姿勢が悪くならないようにしているようで、移動にはクッションを持ち歩いている。

「腰痛は、一般の方も抱えていますから、日常生活の姿勢から気を付けるようにしています。ほかにも、食事、睡眠などにも気を配り、腰に悪いことはしないように心がけています」

 食生活に気を遣うようになったのは、ケガに苦しんだ昨シーズンを経験してからだ。

プロ入りして重要性を痛感した睡眠、深い眠り意識し「夢も見なくなった」

「コンビニに行っても、スナック菓子などの油ものではなく、プロテインやスムージーなど、なるべく体にいいものを採るようにしています。今までは食べたい物を食べていましたが、プロで戦う上で、体は大事だとわかりました」

 本を読んだり、インターネットで調べるなど、勉強も怠らない。「今はネットがありますから調べやすいですね。『こういう考えがあるんだ』『自分の思っていることは正しいのかな』など、情報は常に自分から取りに行っています」。

 特にプロのシーズンを1年間経験して重要だと痛感したのは睡眠だ。遠征があるため、いつも同じ寝具を使用することはできない。試合前は緊張して寝られない時もあり、睡眠不足になり体が硬直してしまったこともあったという。移動時には蒸気が出るアイマスクを持ち歩き、仮眠でもリラックスできるように心がけている。

「寝具は硬いものを使用するようにしたら、寝返りを打ちやすくなりました。プロは寝る時が唯一、1人でゆっくりリラックスできる空間だと思います。睡眠の質を大事にするようにしたら、深く眠りにつけるようになり、目覚めもよくなりました。夢も見なくなりましたね」

吉田が見せる意外な一面、「匂いもリラックスにいいと聞いています」

 その豪快なスイングの影響なのか、昨年オフに行われたトークショーでは男性ファンが8割を占めたという吉田だが、今興味があるのは「アロマテラピー」だと、意外な一面も見せる。「アロマを勉強したいですね。匂いもリラックスにいいと聞いています。この分野は疎いので、周りの人に聞きながら取り入れていきたいと思います」。いいと思ったことはすぐに取り入れる。向上心は人一倍強い。

「何でも試さないとわからないですよね。バッティングと同じです。やってみることは大切です。悪いと思っていても、やってみたらいいことかもしれない。いろいろなことを試したいですね」

 ルーキーイヤーの昨シーズンは10本塁打を放ち、オフに参加した台湾ウィンターリーグでは、打率、安打、本塁打の3冠となり最優秀選手を獲得。それでも結果に満足はしていない。

「まだまだやれると思います。日々の感覚を大事に、研ぎ澄ませてやっていきたい。野球にもバッティングにも、自分の中にはまだ答えがない」

 プロにおいて目標の一つは、1年間を通して試合に出場すること。そして、タイトル争いを挙げることだ。「タイトル争いをすれば、チームに貢献できるし、おのずと数字もついてくる。『こうなればこうなる』という積み重ねを、大切にしていきたいと思います」。

 今年は負傷により出遅れてしまい、シーズンを通して活躍するその目標は来年以降に持ち越しとなった。だが、チームは前半戦38勝41敗1分けで4位につける。3位西武とは6ゲーム差あるが、まだまだ巻き返しは可能だ。吉田が後半戦でフルに活躍できれば、2014年以来3年ぶりのAクラス入りへの道も開けてくる。

 若き大砲は負傷という逆境を乗り越え、飛躍することができるか??。その豪快なスイングに多くのファンが期待を寄せている。(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)