細身のエースが躍動、「ピンチになっても動じないのが河合の良いところ」

 実力校同士の対戦は3-2で金光大阪が接戦を制した。第99回高校野球選手権大阪大会の3回戦で関大北陽に勝利。関大北陽の背番号「10」北口翔太、金光大阪の背番号「11」河合幸輝の両2年生右腕の息のこもった投げ合いとなったが、先制点を奪った金光大阪が6回に2点を追加し、終盤に迫る関大北陽を何とか振り切り4回戦に進出した。

 171センチ、51キロの細身のエースが、最後までマウンドで躍動した。初回からキレのあるストレートを外角に決め、凡打の山を築いた。5回を終えて、許した走者は5番・赤松俊祐の右前打のみ。中盤以降はスライダーやカーブも織り交ぜ、相手に的を絞らせなかった。

「のほほんと投げるタイプ。ピンチになっても動じないのが河合の良いところ」と横井一裕監督。入学時は身長が165センチで体重がわずか49キロしかなかった。そのため、まず体重を増やすために練習後に2合の白米を食べさせ体重増量に取り組んだが、冬場は成長痛のためトレーニングが出来なかった。今は入学時から身長が6センチも伸びたが、まだまだ成長が続いているという。

冬が終わった途端に「成長痛が治った」!?

「(トレーニングに励むはずだった)冬が終わった途端に“成長痛が治った”って言ってくるお調子者のようなところはありますが、朝練には一番初めに来て練習するような子なんですよ」と指揮官は笑う。この日の試合の序盤は空に雲がかかり炎天下のマウンドではなかったため「スタミナは…太陽が出てきたら、どうなるか分からなかった」と冗談をこぼしたが、それでも関大北陽を相手に終わってみれば散発6安打2失点。公式戦初完投で夏のひとつ目のヤマを乗り越えた。

「今日は外に真っすぐを投げ分けられたし、後半はスライダーで勝負出来たことが良かったです」と河合は汗をぬぐった。野球経験のある祖父と幼い頃からキャッチボールにいそしみ、球速がアップしたことがピッチャーをはじめるきっかけとなった。コントロールも良くなり、今日のマウンドでも緩急をうまく使った投球術が冴えた。今はまだストレートは130キロ台だが、のびしろは十分ある。「うちにはエースは不在です。ベンチ入りの投手で何とか継投しています」と指揮官。昨夏府大会準優勝のチームに、頼もしい投手が現れた。(沢井史 / Fumi Sawai)