24日から準決勝、ベスト4はNTT東日本、東芝、日本通運、三菱日立PS

 7月14日に開幕した「第88回都市対抗野球大会」。毎年社会人野球の名門チームが黒獅子旗をめぐって熱戦を繰り広げる今大会は、ついに佳境を迎え、7月24日に準決勝が行われる。ベスト4に進出したのは、NTT東日本、東芝、日本通運、三菱日立パワーシステムズである。

 オリックスの山岡投手(東京ガス)や埼玉西武の源田選手(トヨタ自動車)のように、NPBで活躍する社会人出身の選手も、過去のこの大会に数多く出場していた。そこで今回は、パ・リーグの支配下選手のうち、今年の本選に出場した32チームのいずれかで実績を残し、現在はNPBへと活躍の場を移した選手について見ていこう。

【北海道日本ハム】
武田投手:日本通運
石井裕投手:三菱重工横浜硬式野球クラブ(現・三菱日立パワーシステムズ)
増井投手:東芝
浦野投手:セガサミー
新垣投手:東芝

 北海道日本ハムには、以上の5選手が在籍している。昨季先発として10勝、抑えとして10セーブをマークし、チームの日本一に大きく貢献した増井投手は、今季31試合に登板して14セーブを挙げている。出身の東芝は都市対抗優勝回数歴代2位を誇る名門で、今大会の準々決勝でJR東日本を破りベスト4進出を決めた。増井投手の後輩にあたる新垣投手は、2012年の第83回都市対抗で準々決勝まで進出。現・オリックスの吉田一投手を擁するJR東日本に敗れたが、大会優秀選手に選ばれている。

【楽天】
美馬投手:東京ガス
石橋投手:Honda
武藤投手:JR北海道(現・JR北海道硬式野球クラブ)
濱矢投手:Honda鈴鹿
足立選手:パナソニック

 現在首位を走る楽天には5選手が在籍する。先発3本柱の1人としてチームの快進撃を支える美馬投手は東京ガス出身で、オリックスのゴールデンルーキー・山岡投手の先輩にあたる。今大会の東京ガスは7月21日に西濃運輸に敗れ、8強入りは叶わなかった。昨季、ルーキーながら嶋選手の離脱中に正捕手を務めた足立選手は、2015年の第86回都市対抗に大阪ガスの補強選手として出場。準々決勝のJR東日本東北戦でサヨナラ弾を放った。現・オリックスの近藤投手、現・千葉ロッテの酒居投手とバッテリーを組むなど、攻守でチームの準優勝に貢献している。

埼玉西武には牧田、源田など9人、千葉ロッテには石川ら10人

【埼玉西武】
増田投手:NTT西日本
十亀投手:JR東日本
小石投手:NTT東日本
牧田投手:日本通運
源田選手:トヨタ自動車
他4名

 埼玉西武には9人の選手が在籍。牧田投手の後輩にあたる日本通運の阿部良亮投手は、7月21日のパナソニック戦で史上5人目のノーヒットノーランを達成したばかりだ。昨季自身初の50試合登板を果たした小石投手と、6月の月間MVPに輝くなどして今季の埼玉西武先発陣を支える十亀投手は、奇しくも2011年の第82回都市対抗野球の決勝で対戦。十亀投手が所属するJR東日本に軍配が上がった。そして今季の活躍が目立つのは、やはりルーキーの源田選手だろう。昨年の第87回都市対抗でトヨタ自動車の初優勝に貢献し、優秀選手に選ばれた。

【千葉ロッテ】
石川投手:東京ガス
大谷投手:トヨタ自動車
有吉投手:九州三菱自動車
荻野選手:トヨタ自動車
清田選手:NTT東日本
他5名

 総勢10名が所属している千葉ロッテ。大谷投手と荻野選手はトヨタ自動車時代はチームメイトで、同じ年のドラフトで指名を受けた。有名な話だが、大谷投手は報徳学園高校時代に春の選抜で日本一、早稲田大学時代にリーグ制覇、トヨタ自動車時代に日本選手権で頂点に立つなど、高校、大学、社会人すべてで優勝経験がある。ルーキーながら今季31試合に登板し、中継ぎとして奮闘する有吉投手は、昨年の都市対抗野球に西部ガスの補強選手として出場。九州三菱自動車時代は営業マンだったため、ポケットに携帯を入れ、常に顧客からの着信を気にしながら野球の練習に励んでいたという。

オリックスには最多22人、福岡ソフトバンクはわずか2人

【オリックス】
金子投手:トヨタ自動車
山岡投手:東京ガス
近藤投手:パナソニック
安達選手:東芝
西野選手:JR東日本
他17名

 オリックスには、パ・リーグで最多の22名が所属する。昨年、都市対抗野球でトヨタ自動車を初優勝に導き、橋戸賞(MVP)を受賞したミスター社会人こと佐竹投手は、チームメイトになったことこそないものの、金子投手とは同い年だ。ルーキーの山岡投手は、楽天の松井裕投手を見て力不足を感じたため、高卒でプロ入りする道をあえて選ばず東京ガスへの入社を決めたと語っている。昨年の都市対抗に出場し、2番手として存在感を示した。プロでは今季ここまで13試合に登板し、防御率3.07と結果を残している。

【福岡ソフトバンク】
鶴岡選手:三菱重工横浜(現・三菱日立パワーシステムズ)
本多選手:三菱重工名古屋

 パ・リーグ最少の2選手に留まった福岡ソフトバンク。プロ15年目を迎える鶴岡選手は、三菱重工横浜時代、のちに北海道日本ハムでチームメイトになる石井裕投手とバッテリーを組んでいた。今季は正捕手の座を甲斐選手に譲ることが多くなったが、ここまで打率は3割台と好調だ。本多選手は三菱重工名古屋時代、都市対抗に3度出場。公式戦での盗塁成功率100パーセントを誇った。今季プロ野球史上18人目の通算350盗塁達成も射程圏内だ。

 以上、今年の都市対抗本戦出場チームの一員として、過去の大会に出場した現役の選手を紹介した。今年も、田嶋大樹投手(JR東日本)や広島の田中選手の実弟である田中俊太選手(日立製作所)など、秋のドラフトを賑わせるであろう注目選手たちが躍動する都市対抗。一発勝負のトーナメントの中で、20歳前後の若者から、30台中盤のベテランまで様々な選手たちが繰り広げるドラマには、プロ野球とは違った趣がある。それを楽しみつつ、そこからまたプロ野球の魅力を再発見してみてはいかがだろうか。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)