トレード期限まで1週間、カーショー長期離脱ならダル獲得は「不可欠」

 レンジャーズのダルビッシュ有投手について、ドジャースがトレードでの獲得に「強い興味」を示していると米メディアが報じた。メジャー最強左腕のクレイトン・カーショー投手が23日(日本時間24日)の試合で腰の張りを訴えて緊急降板し、長期離脱も予想される事態となったため、その論調はさらに強まっている。7月31日のトレード期限を前に、エース右腕の周囲はにわかに騒がしくなってきており、目が離せない状況だ。

 一方で、レンジャーズもプレーオフ進出への可能性を残すという複雑な状況もある。ダルビッシュの放出=白旗を上げるという“意思表示”にもなるだけに、エースを放出して他チームの有望株を得るという決断を球団が下すとは、まだ考えにくい。ただ、少なくとも29年ぶりの世界一を目指すドジャースにとっては、ダルビッシュは喉から手が出るほど欲しい存在のようだ。

 地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」は、「カーショーがいようがいまいが、ユウ・ダルビッシュのトレードはドジャースにとって極めて重要である」と題した特集記事を掲載。元ドジャース番記者で、現在はコラムニストを務めるディラン・ヘルナンデス氏がダルビッシュ獲得の重要性を説いている。

 まずは、日本人エースの補強について「もしカーショーが抱える背中の問題が深刻なら、この動きは不可欠だろう」と断言。さらに、「チームに在籍する他の選手は真のエースと最後までシーズン戦うことができるはずだ」と続けている。カーショーが本当に長期離脱となれば、ダルビッシュをチームに加えて、メジャー最強左腕に代わる「真のエース」とするべきだというのだ。

「もしカーショーの故障が大したことがないとしても、この考えは変えるべきではない」

 ただ、仮にカーショーが軽症であっても、補強は不可欠だという。昨年まで4年連続で地区優勝を果たしてきたドジャースだが、ワールドシリーズには進めていない。レギュラーシーズンでフル回転した影響もあるのか、カーショーが例年のポストシーズンでは苦しんできたという理由もある。昨年は獅子奮迅の働きをぶりを見せたが、中3日でマウンドに上がるポストシーズンでは過去に打ち込まれることも多かった。

 ヘルナンデス記者は「もしカーショーの故障が大したことがないとしても、この考えは変えるべきではない」とダルビッシュ獲得を“進言”。「それどころか、このような状況は、ドジャースをレンジャーズとのトレードに前向きにさせるだろう。近年のポストシーズンでカーショーに必要だったサポートを提供することができる」としている。

 同記者は、カーショーが過去のポストシーズンで中3日で登板してきたことに触れつつ「ワールドシリーズまで、カーショーはこのようなスケジュールで登板するべきではない」と指摘。そして、実力者のダルビッシュがローテーションに加われば、エース左腕は無理して登板間隔を詰める必要がなくなるという。アレックス・ウッド、リッチ・ヒルだけでなく、DL入りしているマッカーシー、さらには前田健太の名前もポストシーズンの先発候補として挙げながら、ダルビッシュ獲得で「カーショーは柔軟に登板することができる」と分析している。

 当然、トレードでは対価としてマイナーの若手有望株を手放すことになるが、「問題はない」という。若手の放出は望ましいことではないとしながらも、記事では「もしドジャースがダルビッシュ並みの投手を望むなら、彼らはトレードには出したくはないような有望株を、出さざる得ないだろう」と結論づけている。今季絶好調のドジャースには、今年こそ世界一にならなくてはいけないという、強い“意思”がある。

 まさに運命の1週間。米国内でも、ダルビッシュの去就に最も大きな注目が集まっている。(Full-Count編集部)