最近7戦は防御率3.06、WHIP0.91、K/BBは9.3

 28日(日本時間29日)に本拠地レイズ戦で8回2安打1失点の快投を披露し、今季8勝目(9敗)を挙げたヤンキース田中将大投手。開幕から調子が安定しなかったエース右腕だが、6月下旬から復調の気配が見えだした。後半戦は3試合はいずれも6回以上を投げて、1勝1敗、防御率3.32の成績。この日は同地区ライバルのレイズを圧倒した右腕について、米スポーツ専門局「ESPN」電子版では「マサヒロ・タナカは結局そんなに悪くないかも」との見出しで、評価を改める記事を掲載した。

 スランプに喘いだ前半戦は、辛口で知られる地元NYメディアや地元ファンから「エースとは思えない」「安定感がない」「年俸通りの働きをしろ」など容赦ない言葉が飛んだ田中だが、6月23日にレンジャーズのダルビッシュ有投手と投手戦を演じ、8回3安打無失点に抑えた。記事によると、その試合から28日レイズ戦までの7戦を見ると、田中は防御率3.06、1イニングあたりの与四球数+被安打数を表すWHIPは0.91で、K/BBは9.3と奪三振数が与四球数を圧倒的に上回り、最近3試合では無四球を記録している。この数字を客観的に判断すると「好投手」に分類されるだろう。

好調の要因は、決め球スプリットの精度が大きく改善

 また、田中はこの日までに今季はレイズ戦に2度先発し、いずれもKOされている。2戦を合わせた防御率は20.65、被打率はまさかの.515。記事では「災難だった」と振り返った。中でも、大きな問題だったのは、エース右腕の武器とも言われるスプリットだ。過去2戦では、最後にスプリットを投げた13打席で1本塁打、二塁打2本を含む8安打を許していたが、28日は11打席のうち安打は1本で6三振を奪っているという。

 快投した3度目のレイズ戦で、たまたまスプリットが良かった訳ではない。記事によれば、6月23日レンジャーズ戦以降の7試合で、田中が投げたスプリットの被打率は.150、本塁打はゼロ、そして空振り率は実に43パーセントに上るという。それまでの14試合では4本塁打を含む被打率.258、空振り率は36パーセントだったことを考えると、スプリットの精度は大きく改善されたと言えるだろう。

 記事では「気難しく不満を漏らすヤンキースファンの皆さん、マサヒロ・タナカにはまだ少し投球巧者な部分が残っているのかもしれない」と呼び掛けているが、ペナントレースが佳境に差し掛かる時期に安定した投球を続け、投球巧者が完全復活した様子を見せつけたい。(Full-Count編集部)