救援陣崩壊ならホークスは窮地に―求められる先発陣の奮起

 ソフトバンクのリリーフ陣に危機が差し迫っている。1日のオリックス戦(京セラD)。試合時間5時間を超える延長12回の激闘の末、守護神のサファテが、オリックスの主砲ロメロにサヨナラソロ本塁打を被弾。引き分けでも単独首位浮上となるところだったが、目前のところでそれは散った。

 この日は右手のマメの影響で中20日で石川柊太が先発したが、5回持たず5安打4四球で4点を失ってKO。2番手に飯田、3番手に岡本を送り込むと、チームが土壇場の9回表に同点に追いついた。そこからは9回裏を森、嘉弥真、10回を回跨ぎの嘉弥真、そして岩崎でしのぎ、11回は2イニング目に入った岩崎が失点を防いだ。そのまま同点で延長12回に突入し、最後はサファテのサヨナラ被弾という幕切れに終わった。

 このオリックス戦後。守護神のサファテが、中継ぎ陣にかかる負担を憂慮し、早期の降板を頻発している先発投手陣に苦言を呈したと報じられた。現に、岩崎は8月頭にして50試合に迫る49試合に登板し、森唯斗が46試合、サファテが43試合と登板数が、より一層かさんできている。これまでにも中継ぎ陣の登板数の多さには言及してきたが、これまで登板過多について不満を述べることのなかったサファテが発言したということは、それだけ中継ぎ陣の疲労が色濃くなってきたという現れではなかろうか。

先発陣の故障を支えた救援陣、際立つ活躍

 今季、ソフトバンクの先発陣には怪我人が相次いだ。和田毅が左肘遊離軟骨除去手術で長期離脱。千賀滉大は左背部の張りで2度戦線を離れ、武田翔太も右肩の炎症で約2か月半の間、ファームでのリハビリを強いられた。この間、石川柊太や松本裕樹といった若手の奮闘でなんとかチームの台所事情をまかなってきた。

 ここまで貯金29を積み上げて来られたのは、先発陣をなんとかやり繰り出来たこともあるが、それ以上にリリーフ陣の存在が大きかったといえる。ソフトバンクの今季のチーム防御率は3.10でリーグトップ。だが、先発陣の防御率に限れば、3.69となり、楽天、オリックス、西武に続くリーグ4位まで落ちる。逆に救援防御率は2.01で2位の西武に0.6以上を離すブッチギリのトップなのだ。

 そのソフトバンクの先発陣。今季は試合の早い段階での降板が目立つ。今季、先発投手の平均投球回数は5.77回と、先発投手として1つの役目と言われる6回に届いていない。先発が6回を保たなかった試合はなんと今季95試合のうち半数近い45試合にも上る。さらには、そのうち5回をもたずに先発が降板した試合も25試合あるのだ。

 ソフトバンクと首位を争う楽天に目を向けてみる。先発防御率3.37はリーグトップである。先発投手の平均投球回数は6.05回と6回を超えており、先発が6回もたなかったのは34試合。うち、先発が5回に届く前に降板した試合は14試合と、ともにソフトバンクよりも10試合程度少なくなる。

早い段階での継投策で負担増、期待される先発陣の奮起

 先発投手が早い段階で降板すれば、リリーフ陣に負担がかかるのは当然のこと。しかも、ソフトバンクのように勝ち試合が多くなれば、森、岩崎、サファテという勝利の方程式には、より一層の過剰な負担がかかることになる。

 さらに言えば、今季のソフトバンク先発陣の投球回の短さには、首脳陣の決断も影響しているのではないか。昨季までの工藤公康監督といえば、「引っ張りすぎでは?」と思わせるほどに、先発投手を長く投げさせることが多かった。それが今季は一転「早すぎでは?」と思わせるほど、早い段階で先発を諦め、継投に打って出ている印象が強い。

 昨季とは先発陣の陣容が違うし、個々のコンディションも違う。さらに首位を走っていた昨季と違い、今季は楽天を追う立場。取りこぼしが許されないという状況が、その継投策に影響を及ぼしている部分もある。ただ、同点や少ない点差のビハインドで継投に出れば、当然、勝ちパターンの投手を送ることになり、負担はかかる。

 ようやく千賀、武田は戦線に復帰し、状態を取り戻してきている。和田も早ければ、9月にも復帰出来るのでは、という見通しも出てきている。間違いなく、ソフトバンクにとって先発陣の奮起は喫緊の課題。これが叶わなければ、リリーフ陣の失速だけでなく、故障などリスクは高まっていく一方だ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)