「自分の持ち味は明るいプレースタイル」無邪気で自信に溢れた清宮幸太郎を見たい

 プロ野球開幕を心待ちにしながら日本ハムの取材ノートを整理していたら、思い出深い言葉を再発見した。「F取材ノート〜心に残ったあの言葉」として改めて紹介したい。今回は、3年目の飛躍を期待される清宮幸太郎内野手。

「60本です」

 ドラフトで7球団競合の末、日本ハムに入団した清宮の“60発宣言”には度肝を抜かれた。入団会見を2日前に済ませ、札幌ドームで行われたファンフェスティバルに登場した17年11月26日。同期6人とともに新入団お披露目に登場した。司会進行を務めたOBの森本稀哲氏から、どんな選手を目指すのか質問されると「この球場で今まで以上の成績を残して、ホームランを打って、皆さんに喜んでいけるように」と力を込めた。さらに具体的なホームランの数を聞かれると迷わず「60本です」と答えて、大歓声を浴びた。

 達成できなければビッグマウスと揶揄される可能性もある。だが、18歳の清宮はそんな恐れを気にするそぶりもなく、屈託のない笑顔でサラリと言ってのけた。そのスケールの大きさに感服した。

 史上最多といわれる高校通算111本塁打を引っ提げて鳴り物入りで入団した清宮だが、故障続きで思うような成績を残せていない。ルーキーイヤーの18年は1月に右手母指基節骨骨挫傷、3月に限局性腹膜炎で出遅れた。19年は3月に右手有鈎骨を骨折し、シーズン終了後の10月には右肘関節形成術を受けた。4番も経験した昨季の成績は、81試合に出場して打率.204、7本塁打、33打点。オフの契約更改では「悔しいの一言だったかなと思っています」と厳しい表情でシーズンを振り返った。

 思い返すと17年のファンフェスティバルでは本当に楽しそうだった。「自分の持ち味は明るいプレースタイルなので、野球を楽しむ姿を皆さんに見てもらいたいと思います」とハキハキ答えていた。あの無邪気で自信に溢れた清宮幸太郎を早く見たい。(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)