2017年にルール改正で不正投球とされるまでメジャー公認となっていた“ワンステップ投法”

 かつてチャップマンの世界最速を上回る体感速度の直球で話題を呼んだ、前マーリンズの最速164キロ右腕カーター・キャップス。現在では違反投球となっている、投球板から蹴り出て前方に大きくせり出すフォームで投球距離を狭めていたキャップスだが、実はこの“ワンステップ投法”には元祖が存在する。

 2011年2月、米TV局「ESPN」は「ジョーダン・ウォルデンはどれくらいの剛速球を投げられるだろうか?」との見出しで、2011年にはエンゼルスの抑え投手として32セーブを挙げ球宴にも選出された右腕を特集。2010年9月24日のパドレス戦で、当時レッズに所属していたアロルディス・チャップマンがMLB史上最速となる105マイル(約169キロ)を記録したことを引き合いに、100マイル超えの直球を誇る右腕を紹介している。

 当時の記事では1月にアリゾナで調整していたウォルデンのコメントを掲載。「今はストライクを取るために少し力を抜いているんだ。(力を入れれば)104〜105(約167〜169キロ)マイルは出ると思うよ」と豪語した。2010年の平均球速が98.8マイル(約159キロ)だったことやマイナー時代には102マイル(約164キロ)を記録したことを伝え、高いポテンシャルを備えていることも事実だとしている。

 そしてウォルデンの投球の最大の特徴は、キャップスと同じ“ワンステップ投法”。2015年4月、米データサイト「ファングラフス」では、「ジョーダン・ウォルデンは何年もこの投げ方を続けている」として、ウォルデンの投球フォームが“御咎めなし”だったためにワンステップ投法が合法となる前例を作ってしまったとしている。
 
 まさに“ワンステップ投法”の元祖たる存在だったウォルデン。リリースポイントがホームプレートに近くなるため、必然的に打者との距離も短くなり、体感速度は増すことになる。2017年にルールが改正され不正投球となるまで、打者の目には脅威の剛速球に映っていたに違いない。(Full-Count編集部)