元阪神でメジャーの藪恵壹氏がソフトバンク柳田の規格外の打撃に迫る

■ソフトバンク 4-3 楽天(7日・PayPayドーム)

 ソフトバンクは7日、PayPayドームで行われた楽天戦に4-3で勝利した。この日はソフトバンク千賀が今季1軍初先発として注目を浴びる中、初回にいきなり161キロの自己最速タイを出したが、2点を献上。だが、復帰初戦のエースを援護すべく、すぐさま同点2ランで追いついたのが柳田だった。誰も真似できないような打撃センスで打球をレフトへ運んだ柳田の凄さを、元メジャー右腕の藪恵壹氏はどう見るのか。

 1回裏1死一塁、打席に立った柳田は、楽天の先発・弓削が投じた内角高めの速球を振った。詰まったかに見えた打球は、高々と舞い上がりながら左翼フェンスを越す同点2ランに。藪氏は開口一番「レフトフライだと思いましたよ」と驚きを隠せなかった。

「打った瞬間、自分で入ったと思ったというコメントが出ていたけど、えっ!?と思いますよね。レフトフライだと思いますよ、あれは。でも、本拠地だけあって打ち方を知っていますね。レフトにはこのくらいの力で打てば入るって」

 この日、柳田は第3打席にも勝ち越しヒットを中前に運んだが、いずれも初球を捉えた当たり。4打席全てを合計しても、わずか6球だった。「ミスショットが少ないし、勝負が早い」と藪氏は感心する。

 もし藪氏がマウンドに上がったら、打席に立つ柳田にどんな攻め方をするのだろうか。藪氏は「インコースにどんどんいかないとダメですよね」と話す。

「ロッテ戦を見た時も、投手はインコースを攻めていましたが、外一辺倒の攻めになったらガツンと打たれますね。だから『またインコースか』と思わせるくらい、ずっとストライク、ボール、ボール、ストライクって投げないと。あるいは、スライダーをバックフットに投げて軸足を引かせたりしないと、ちょっと難しい。柳田がじれてくるまでインコースです。それで打席の中で目付がインコースになってきたというところで、外に投げる。でも、インコースで凡打することも少ないので、時間がかかるでしょうね」

「スイングだけ見たら、プホルス、トラウト、ベリンジャー、そんな感じがしますよね」

 独特の間合いを持ち、苦手とするコースをあまり持たない。緩急を使ってタイミングを外そうとしても、遅い球には止まって対応できる柳田のスイングは「外国人のホームラン打者のイメージ」だと言う。

「プホルスがそうですよね。緩急を使ってドローンとしたカーブを投げても、パッと止まってガツンと打つわけです。技術の高くて下半身がしっかりしている打者は、パッと止まれるんですよ。柳田選手はスイングだけ見たら、プホルス、トラウト、ベリンジャー、そんな感じがしますよね」

 彼らのようなホームランが打てる好打者には、どんなピッチングが有効なのか。それは「真っ直ぐに近い、速い変化球」だという。

「真っ直ぐが来たと思わせて、手元でキュッと動くようなボール。だから、カットボールやハードシンカーですね。真っ直ぐが145キロだったら142、3キロのカットだったり、144キロのシンカーだったり。同じような速さで来て、手元でどちらに曲がるか分からない球が有効だと思います。柳田選手は左打者だから、僕が投げるとしたら少し沈むシンカーがいいかもしれません。カット系を投げるとしたら、横に滑る変化がいいと思いますね。プホルスのような打者だったら、それでもガツンと外野席まで持っていってしまうけど、まだ押さえられると思います」

 日米球界で数々の強打者と対戦してきた藪氏に、プホルスやトラウトを思わせる柳田は、やはり規格外の存在なのかもしれない。(Full-Count編集部)