楽天バッテリーは執拗に内角を攻めるも、打率.455と打ちまくった柳田

■ソフトバンク 6-1 楽天(12日・PayPayドーム)

 12日にPayPayドームで行われた楽天戦で初回に先制の8号ソロを放ったソフトバンクの柳田悠岐外野手。楽天先発の石橋が投じた低めの真っ直ぐをすくいあげた打球は弾丸ライナーとなって左中間のホームランテラス席へと突き刺さった。

 打った瞬間は外野の間を抜けるか、フェンス直撃か、と思わせる打球だったが、そのままスタンドインに。衝撃的な打球に、試合後、工藤公康監督でさえ「見る限りフェンス直撃かな、と思ったんですけど……。さすが柳田くん。素晴らしいパワーでした」と驚きを隠せなかった。

 この一発で7日から始まった楽天との6連戦で実に5本目の本塁打となり、本塁打争いでトップの浅村に1本差に迫った。この日は3打席目、4打席目にも安打を放っており、この6試合は22打数10安打5本塁打8打点。打率.455と存分に暴れ回り、チームの今季初の3連勝、そしてカード勝ち越しを導いた。

 5本塁打という数字もさることながら、この6連戦で柳田が見せた打撃の内容は衝撃的なものだった。なぜなら、楽天バッテリーから執拗なマークに遭いながら、それを返り討ちにして結果を残し続けたのだ。

工藤監督でさえも「あれをやられちゃうと、もうあとは四球しかない」

 この6試合、楽天バッテリーの攻めは一貫していた。徹底的にインコースを攻め続けた。例えば2戦目の涌井は第1打席、初球から4球連続でインコースに突っ込み、4戦目の則本昂も内角に150キロ超の真っ直ぐ、そして140キロ台のカットボールを投げ続けた。速い球を内、しかもえぐるように投げ、所々で遅い球や落ちる変化球を外に散らした。

 あれだけインコースを攻め続けられれば、打撃の形が狂ってもおかしくはないもの。ところが、柳田はモノともせず。これに驚いていたのが、自軍の監督である工藤監督だった。「あまりストライクゾーンがズレていないんですよね。(内角を)意識させられても、ズレていないというのがこの結果に繋がっているんじゃないのかなと思います」と分析し「あれをやられちゃうと、もうあとは四球しかないのかなと僕は思いますね」と評した。

 こうなってくると相手投手はなかなか手の施しようがない。現役時代に通算224勝をマークした大投手の工藤監督でさえ「ピッチャーからすればイヤです。当然、インサイドが甘くなったらライトにも打たれる。どうしてもバッテリーは落とすか、外かになるんですけど、その球を逆方向に打たれる。そうすると、正直投げるところが無くなっちゃうでしょうね」と“お手上げ”だと言うほどだ。

「しっかりいいスイングをすること、それ以外は考えていないです。集中していいコンタクトをするだけだと思っています」と、柳田自身の思考は至ってシンプルだ。21試合で8本塁打は自身最高の量産ペース。規格外の“超人ギータ”が、規格外の領域にいる。しばらくはこの男、止められそうに、止まりそうにない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)