CSファイナル第1戦で強烈な一発、ファーストステージ第2戦でも先頭打者弾

 10月18日のCSファイナルステージ第1戦で、楽天の茂木栄五郎はソフトバンクの先発・東浜巨から初回先頭打者ホームランを打った。茂木は10月15日のファーストステージ第2戦でも西武の十亀剣から初回先頭打者ホームランを記録。試合開始直後に、強烈な存在感をアピールしている。

 昨年、早稲田大からドラフト3位でプロ入りした茂木は、1年目から正遊撃手に抜擢され、117試合に出場したが、この年は主として6番打者として起用され、1番は10月に2試合だけ起用されたにとどまった。

 しかし、梨田監督は、2年目の今年、茂木を先頭打者に抜擢。故障で離脱した時期を除き、84試合で1番打者に起用した。茂木はこの起用に応え、リーグ3位の打率.296を記録するとともに本塁打数も7本から17本と大幅に増やした。

 この17本塁打のうち、茂木は6本を初回先頭打者として記録している。

4月9日 ロッテ戦(ZOZOマリン)表 ○
4月19日 西武戦(メットライフ)表 ●
5月21日 ロッテ戦(ZOZOマリン)表 ●(初球)
6月8日 DeNA戦(Koboパーク宮城)裏 ○(初球)
8月5日 ロッテ戦(Koboパーク宮城)裏 ○
8月9日 日本ハム戦(Koboパーク宮城)裏 ○(初球)

 今季のNPBでは初回先頭打者本塁打は29本出ているが、茂木の6本は最多。2位はDeNA・桑原将志、西武・秋山翔吾の4本だ。

 このうち茂木は初球を叩いたホームランが3本。これは2002年の西武・松井稼頭央にならぶパ・リーグ最多記録(NPB記録は2003年の阪神・今岡誠が記録した5本)。10月15日のCSファーストステージで打った一発も初球だった。

体格は小柄も、スイングの早さは柳田や吉田正に匹敵!?

 茂木が先頭打者ホームランを記録した試合は4勝2敗。CSで打った試合もともに勝っている。初回先頭ホームランは先発投手の出鼻をくじき、味方に勢いをつける強烈な一発なのだ。

 今シーズンの茂木の第1打席の成績は、88打数32安打6本塁打の打率.364。初回に神経を集中させていることがわかる。盗塁数は1年目の11から3に減ったが、先頭打者としての責任は十分に果たしたと言えるだろう。

 シーズン初回先頭打者本塁打のNPB記録は、2007年に現巨人監督の高橋由伸が記録した9本。8本を打った打者は6人いる。2007年の高橋は115試合で1番に起用されている。今年、84試合の1番打者起用で6本を打った茂木は、来季以降、この記録に迫る可能性があるだろう。

 茂木は身長171センチ、体重75キロ。大型化が進んでいる最近のNPBでは最も小柄な部類に属する選手だ。しかし、スイングの速さはソフトバンクの柳田悠岐や、オリックスの吉田正尚に匹敵すると言われる。わずか2年で、先発投手が最も警戒する選手の一人になったのだ。

 茂木の初回先頭打者本塁打もあって、楽天はCSファイナルステージの初戦をものにした。ソフトバンクに勝つにはあと3勝が必要だが、切り込み隊長・茂木が初回に働けば、勝利はぐっと近づくことだろう。試合開始直後の茂木から目が離せない。(広尾晃 / Koh Hiroo)