首脳陣から得た絶大な信頼「どんな場面でも迷いなくケンタを投入する」

 ドジャースは19日(日本時間20日)、カブスとのリーグ優勝決定シリーズ第5戦に11-1と圧勝し、対戦成績4勝1敗で1988年以来22度目のリーグ制覇を果たした。今季ポストシーズン(PS)から救援として大車輪の活躍を見せる前田健太投手は、この日も7回から2番手として登板。わずか10球で3者凡退に仕留める完璧リリーフで勝利のリレーをつないだ。地区シリーズから計5試合に登板し、無安打無失点に抑え続けている日本人右腕を、ハニカット投手コーチは「ブルペンに棲むビーストだ」と手放しで褒め称えた。

 敵地マウンドで前田が躍動した。9-1と8点リードの7回。先発カーショーからマウンドを継いだ右腕は、先頭コントレラスを4球で空振り三振に仕留めると、続くラッセルは初球でセンターフライ、最後はバエスを5球目外角速球で釘付けにし、見逃し三振とした。最速95マイル(約153キロ)を計時する渾身の10球で、昨季王者カブス打線を退けた。

 リーグ優勝シリーズでは3試合に登板し、安打も四球も失点も許さない完璧ピッチング。地区シリーズを含めても、計5試合で失点はゼロ。慣れないリリーバーという役割で最高の結果を残し続ける前田について、ハニカット投手コーチは「これだけチームのために私欲を捨てられる選手はいない。本当に感謝している」と感服。「私もデーブ(・ロバーツ監督)も、どんな場面でも迷いなくケンタを投入する自信を持っている。彼は今やブルペンに棲むビースト(猛獣)だ」と絶賛した。

前田が加わり強化されたブルペン「ケンタはワールドシリーズでも間違いなく大きな戦力」

 本来の役割は先発投手。不慣れな役割でも快投が続く背景には、前田が「自分のピッチングに自信を取り戻したことがあるのだろう」と分析する。開幕以降、先発として失点を重ねた右腕は、6月上旬に一時ブルペンに配置転換された。リリーバーとして登板したのは2試合にとどまったが、メジャー初セーブを飾るなど結果を残した。「あの後、先発に戻っても、積極的に打者と対決する姿が見られるようになった」と振り返る。

 ポストシーズンでは再び配置転換されたが、大舞台で結果を積み上げ、瞬く間にドジャースが誇るリリーフの“切り札”に。「ケンタのおかげでブルペンがさらに強化された」と目を細める。

 だが、ここで終わったわけではない。目指すは1988年以来29年ぶりとなるワールドシリーズ制覇だ。

「あと4勝。ケンタはワールドシリーズでも間違いなく大きな戦力になってくれる」

 投手コーチの絶大なる信頼を勝ち取った前田は、決戦のマウンドでも躍動するはずだ。(佐藤直子 / Naoko Sato)