阪神OBの藪恵壹氏が分析、今季の大野が完投できる理由とは

■巨人 2-0 中日(8日・ナゴヤドーム)

 中日は8日、本拠地での巨人戦に0-2で敗れた。先発マウンドに上がった大野雄大投手は今季4敗目を喫したが、9回を115球で投げきって6試合連続完投をマーク。打線の援護を得られなかった31歳左腕の快投を「理想的」と高評価する人がいる。阪神OBで元メジャーリーガーの藪恵壹氏だ。

 先発、中継ぎ、抑えの分業化が進み、投げる球数の管理が厳しくなった現在、先発投手が完投することは稀な出来事となった。そんな中で大野雄が達成した6試合連続完投。藪氏はその内容を大いに称えた。

「完投するためには1イニングにかかる球数を気にしないといけない。115球で完投できるなんて理想的ですよ。しかも、1四球5奪三振。8番の吉川尚輝選手には3安打されましたが、それを除けば3安打。岡本(和真)選手、丸(佳浩)選手という主力を抑えている。すごくテンポがいいし、こういう投球をカードの頭でしてもらえると、次に続く先発陣は助かりますね」

 エース対決となったこの日、巨人の菅野智之は7回無失点で開幕10連勝の大記録を達成。一方の大野雄は6連続完投で、見応えのある投手戦が展開された。「投手がいいと試合が締まる」と大きく頷く藪氏は、今季はこれで5勝4敗、防御率2.31と好調続く大野の投球を、こう評価する。

「腕がよく振れているのと、真っ直ぐとフォークの制球ですね。マウンドの上でテンポよく気持ちよさそうに投げている。おかげで守備の時間も短く済んでいるから、野手もテンポよく攻められます。この日は相手投手がよかったから打てなかったけど、もう少し点を取ってもらってもいい内容。本当にストライクゾーンの中で勝負ができているから、今年は球数が少なく投げられているし、あまり3ボールにもならないですよね」

 今季でプロ10年目の大野は、昨季は9勝8敗、防御率2.58と健闘したが、2015年に11勝(10敗)して以来、2桁勝利と縁がない。元々の実力は十分ある投手。さらに、今オフには注目のFA選手となるだけに「頑張るだろうと思っていた」という藪氏でも、「ここまでやるとは思っていなかった」と舌を巻く。

「シーズンオフはどうなるか分かりませんが楽しみですね。左の先発はどこのチームも喉から手が出るほど欲しいでしょう。特にやられているチーム、巨人もそうだし、阪神もそうだし、そういったチームは欲しいですよね。あと、左の先発がいない西武も絶対必要な人材。オフは争奪戦必至ですね」

 オフに争奪戦が繰り広げられる可能性も頭に入れながら、31歳左腕は今後どういった投球を見せるのか注目してみると面白いかもしれない。(佐藤直子 / Naoko Sato)