主力打者の不振で、お家芸の走る野球発動、辻監督「失敗を恐れずにやっていきたい」

■西武 3-1 ロッテ(16日・メットライフ)

 西武は17日、本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦に3-1で快勝。3連勝を飾り、日本ハムと入れ替わって4位に浮上した。首位の座はまだまだ遠いが、低迷する2年連続パ・リーグ覇者に、突破口が見えたシーンがあった。

 1-0の1点リードで迎えた5回、外崎の左前適時打で1点を追加し、なお1死一、三塁として打者は19年目のベテラン栗山。一塁走者の源田、三塁走者の外崎はいずれもチーム屈指の俊足である。

 カウント1-1からの3球目に、源田がディレード気味にスタート。捕手・柿沼が二塁へ送球するのをみて、外崎が本塁へ突入した。二塁ベースカバーの遊撃手・藤岡の返球と、外崎が足から滑り込んだのとは極めて微妙なタイミング。いったん「セーフ」の判定が下されたが、リクエストの結果、判定が覆りタッチアウトとなった。

 のるかそるかのダブルスチールは失敗に終わったが、試合後の辻発彦監督は納得顔だった。「(源田と外崎は)1番仕掛けやすい2人だったが、送球がうまいこと左にそれて、タッチアウトになってしまった」と解説。遊撃手・藤岡の送球が三塁方向へそれ、偶然柿沼が捕球した所に外崎が滑り込む格好になってしまったという見立てだ。そして「こういうのが出てくると、ウチらしいと言えばウチらしい。失敗を恐れずにやっていきたい」と語った。

重盗失敗後の5回2死二塁で栗山タイムリー「私を救っていただきました」

 一昨年と昨年にパ・リーグ連覇を果たした西武は、いずれもチーム打率はリーグトップ、チーム防御率はワーストで、5点取られても6点取り返すような豪快な野球が身上だった。ところが今季は、チャンスメーカーの秋山がメジャーへ移籍し、主砲の山川は16日現在打率.225。昨季打率.329で首位打者を獲得した森も.256と振るわず、打線の破壊力は落ちている。となれば、足を使って1点をもぎ取る発想が重要になる。

 もともと、機動力を駆使して相手の隙を突く野球は、西武の伝統的なお家芸。現役時代の辻監督はその象徴的な選手だった。この日はアウトになったとはいえ、こういう作戦を見せておくだけでも、今後相手を疑心暗鬼にさせ重圧をかける効果はありそうだ。

 しかも、ダブルスチール失敗直後の2死二塁で、栗山が右前適時打を放ち、消えかけた得点機をモノにした。辻監督は「私を救っていただきましたし、チームも救ってもらった」と最敬礼だった。

 依然、首位ソフトバンクには8.5ゲーム、今年のクライマックスシリーズ進出圏内の2位にも7ゲームの大差をつけられている西武。浮上のきっかけになるかどうか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)