今季打率.254の不振でも突出する打撃技術 ここ4年は捕手以外の守備に就いたことなし

■日本ハム 5-1 西武(22日・メットライフ)

 辻発彦監督の悩みは深まるばかりだ。西武は22日、本拠地メットライフドームで行われた日本ハム戦に1-5で敗れ、昨季首位打者&MVPの森友哉捕手が先発マスクをかぶった試合に限ると6連敗となった。類まれな“強打の捕手”をどう起用していくのか。

 なんとも皮肉な展開だ。先発投手の高橋光成は、8回まで無安打無得点に抑えた今月8日のオリックス戦を含めて最近2試合は、岡田とバッテリーを組んでいたが、3試合ぶりに森と組んだこの日、今季最短の4回途中にして8安打5失点でKOされた。

 とはいえ、高橋光は前回森と組んだ今月1日のロッテ戦でも、7回1死までノーヒットノーランの快投を演じており、森と相性が悪いと断じるのは不公平だろう。辻監督は「キャッチャーで抑えたり、打たれたりするわけではない。特に今日は、あれだけ逆球を投げた光成が悪い。キャッチャーが意図していない所に投げちゃうんだから。(配球も)サイン交換して納得して投げているだろうし。バッテリー2人の責任でしょう」と語った。

 捕手として結果が出ないから打撃でも迷いを引きずってしまうのか、打撃不振がリードにも影響を与えているのかは定かでないが、昨季は打率.329で首位打者に輝いた森が、今季は22日現在、.254の低打率にあえいでいる。

 本来は絶対的正捕手のはずの森だが、ここにきてチーム捕手最年長の31歳の岡田や、ドラフト5位ルーキーの柘植(つげ)に先発マスクを譲る試合が増えている。最近15試合では、森が6試合に先発して全敗。岡田スタメンは5試合で全勝。柘植は4試合で2勝2敗と三者三様である。

31歳の岡田は最近スタメン5試合全勝

 球界関係者の間には「攻めのリードが持ち味の森が、今季は結果が出ないことで弱気になっているようだ」と指摘する声もある。この日は4回1死一、三塁で、打率.195の9番・清水を迎えると、前の打席で甘く入った146キロのストレートを左翼席へ運ばれた(2号2ラン)とはいえ、ストレートはカウント0-2と追い込んでからのピッチアウトの1球だけ。その後3球連続フォークの配球で四球で歩かせ、自分たちの首を絞める形になった。

 それでも、辻監督が「あいつはウチの打線に絶対必要なバッター」と断言するように、森の打撃技術は突出している。対照的に先発マスクをかぶった試合で結果を出している岡田は、今季打率.069で本人が「打率がなくなってしまいそう」と嘆くほどだ。

 捕手は守備優先のポジションといわれ、打順は下位のケースが多い。しかし、だからこそ、古田敦也氏が活躍していた時代のヤクルト、現在ヘッドコーチ代行の阿部慎之助氏が大黒柱だった頃の巨人など、希少価値の高い“打てる捕手”を抱えるチームは、それだけで大きなアドバンテージを得る。

 また、森は4年前の2016年に49試合で右翼を守ったが、翌17年以降は捕手以外の守りに就いたことがない。今季に至っては、DHでの出場もない。西武ではDHにふさわしい選手が他に、栗山&中村のチーム野手最年長37歳コンビ、メヒア、山川らいくらでもいて、25歳の森を当てるのはいかにも惜しい。

 辻監督は今月17日のオリックス戦に敗れた直後、「友哉にはキャッチャーとして、でんと構えていてほしい。他のキャッチャーを使うのは簡単だが、いろいろ克服しながら、そういうキャッチャーになっていかなきゃいけない」と改めて捕手として期待を寄せた。先発マスクをかぶった試合で勝っていないという事実を踏まえ、一方で森本人の精神面もケアしながら、どう使っていくか。指揮官は難しい舵取りを求められている。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)