2015年から5年間プレーした友永翔太氏が指摘「若手にさらなる自覚」

 残り3分の1をきったペナントレースで、中日が7年連続Bクラスからの脱出を射程圏に捉えている。86試合を消化した27日時点で、39勝42敗5分の借金3。順位こそ4位だが、3位DeNAとは2ゲーム差で、さらに2位阪神とも2.5ゲーム差と詰まっている。例年はシーズン終盤にかけて失速して借金を膨らませていったが、「今年は違う」と思わせる条件が揃っているという。

 夏から秋にかけ、しぶとさは増しているようにも見える。8月は13勝11敗2分で勝ち越した中日は、9月に入ってもここまで12勝10敗1分と白星を先行させている。残り34試合。首位巨人の独走によって優勝争いは現実的に厳しい状況だが、8年ぶりのAクラスは現実味を帯びてきている。

 ただ、近年の中日にとっては“鬼門”ともいえる終盤戦。過去5年をみても、シーズン3分の2を消化した時点で2桁前後の借金を抱え、さらにそこから積み増すという状況が続いてきた。中でも谷繁元信監督がシーズン途中で休養した2016年は、最終的に借金24まで膨らみ最下位に沈んだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で120試合に短縮された異例のシーズンとはいえ、残り3分の1の戦い方はより重要になってくる。

「選手たちの声を聞いていても、チームの雰囲気は例年以上にいいと感じています。このままの戦いを続ければ、今年はAクラスが見えてくると思います」

 そう確信するのは、昨季まで中日で5年間プレーした元外野手の友永翔太氏。元同僚たちの戦いぶりやベンチでの雰囲気を外から見ていて、明らかな違いを感じるという。当然、今でも選手らとは交流があり「僕の印象では、若手選手たちの自覚というか、自分たちがやらなきゃダメだという意識がより強くなっています」と語る。

 中日では2015年からの5年間で、山本昌、谷繁元信、和田一浩、小笠原道大、岩瀬仁紀、川上憲伸、荒木雅博、森野将彦、浅尾拓也ら黄金期を支えた大ベテランたちが相次いでユニホームを脱ぎ、変革を迫られた。その“過渡期”にチームにいた友永氏も「どうしても若手はベテランの皆さんに精神的に頼ってしまう状況はあったと思います。僕自身も、もっと自覚を持ってやらなきゃいけなかったと反省するところでもあります」と振り返る。

 昨季から新生ドラゴンズとなり、迎えた与田剛監督2年目の今季。「(高橋)周平が去年からキャプテンを任されたことで、さらに自覚は増しましたし、京田(陽太)らレギュラーも徐々に固定されてきたことがいい方向に行っているのではないかと思ってます」と推し量る。

前半戦での若手起用が生きると予想…平田が故障離脱も4年目石垣がプロ初本塁打

 さらに、今季の選手起用が終盤戦に生きてくると見る。ドラフト1位の石川昂弥内野手は、今季の高卒新人としては最速の7月にデビューし、14試合に出場。さらに2年目を迎えた根尾昂内野手も8月に1軍昇格を果たし、プロ初安打を放った。期待の若手をシーズン序盤から中盤にかけて1軍で経験させた点に、友永氏は着目する。

「けが人がでないに越したことはありませんが、終盤にかけて必ず出てくる。その時に、2軍から若手を上げるとなった時に、いきなり1軍となるのと、1度経験した上で再昇格するのとでは全然気持ちの面で違うと思います」

 その言葉を裏付ける状況も実際に起きている。9月に入って状態を上げてきていた平田良介外野手が今月25日の巨人戦(東京ドーム)で途中交代し、翌26日に下肢のコンディショニング不良で登録抹消に。ただ、その25日には、高卒プロ4年目の石垣雅海内野手が代打でプロ初本塁打を放ち、その後2試合連続で右翼でスタメン出場。石垣は7月に1軍で代打が主ながら11試合を経験し、9月に再昇格を果たしていた。

「前半戦に打っていた“布石”が、シーズン終盤に結果となって表れてくるのではないかと思っています。石川も根尾も、もしパッとチームの穴を埋める存在として1軍に来ても力を発揮しやすいはずです」

 昨季まで現役だった友永氏だからこそ、よりリアルに感じる雰囲気と先を見据えた選手起用。8年ぶりのAクラス入りへ、状況は揃いつつあるのかもしれない。(小西亮 / Ryo Konishi)