最速153キロのドラフト1位右腕・入江大生も候補になり得るか

 背番号「18」の争奪バトルが、投手陣のレベルアップにつながるか――。DeNAは17日、三浦大輔2軍監督が来季から1軍監督就任することを発表。背番号は現役時代から付けていた「18」から「81」に変更されることになった。18番は、ふさわしい投手が現れるまで空き番になるという。

 三浦新監督は、1991年ドラフト6位で奈良・高田商高からDeNAの前身である横浜大洋に入団。チーム一筋に25年間投げ抜き、通算172勝(184敗)をマークした。1年目から6年間の背番号は「46」。98年に本人の希望で「18」に変更し、この番号で144勝(158敗)を挙げた。

 2016年限りで現役引退した際、球団は低迷期に奮闘したエースへ敬意を表し「18」を“準永久欠番”の「横浜ナンバー」に指定。「ふさわしい選手が現れるまで欠番とし、最終的には球団と三浦氏本人が協議した上で継承させる」と取り決めた経緯がある。三浦新監督は昨年、1軍投手コーチとしてチームに復帰。2軍監督を務めた今季を含め2年間は自ら「18」を背負った。

 三浦新監督は「18はやはり、マウンドの上で投げてこそ輝く。選手が付けるのが一番。(誰がふさわしいかは)僕個人より、応援してくれるファンの空気感でわかると思う」と語った。「全員が付けたいと思っているわけではないと思うが、付けたいという選手に出てきてほしいと思っております」と高いレベルの争奪戦を期待している。

 もっとも、50年シーズンに「大洋ホエールズ」としてスタートしたチームの長い歴史を振り返ると、三浦新監督が付けるまで、「18」は特別な栄光に彩られた番号とはいえなかった。球団ぐるみで、伝統のエースナンバーに育てようとしている途上といえるかもしれない。

堀内、桑田、杉内、菅野…エースナンバー「18」が定着しているのは巨人

「18」が紛れもなくエースナンバーと認識されているのは巨人だ。通算209勝の中尾碩志氏が57年限りで現役引退すると、その年にプロ1年目にして17勝を挙げ新人王を獲得した藤田元司氏(後に監督)が、たった1年で背番号を「21」から「18」に変更。翌58年に29勝、59年にも27勝を挙げて2年連続MVPに輝き、見事にエースナンバーの栄光を継承した。

 藤田氏は64年限りで現役引退し、65年と66年は1軍投手コーチとして引き続き「18」を付けた。しかし、66年に高卒ルーキーの堀内恒夫氏(後に監督)が、開幕13連勝を含む16勝2敗の鮮烈なデビュー。こちらも1年目のオフに早々と「21」から「18」に変更し、V9時代のエースに君臨した。86年から21年間は、PL学園高時代に甲子園出場5度、全国制覇2度の実績を引っ提げて入団した桑田真澄氏が付けた。07年から5年間は空き番だったが、12年にはソフトバンクからFA移籍した杉内俊哉氏(現2軍投手コーチ)の背中へ。杉内氏が18年限りで引退すると、既に6年間「19」を付けて通算76勝を挙げていた菅野が、満を持して継承したのだった。

 さて、DeNAの「横浜ナンバー」を引き継ぎ、歴史を作っていくのは誰になるのか。今年のドラフト会議で1位指名した最速153キロ右腕、明大・入江大生投手が1年目から印象的な活躍をすれば、有力候補になりそうだ。その他にも、ブレークを期待される若手投手は数多い。巨人からの人的補償の“移籍組”ではあるが、今季開幕直後は防御率でリーグトップに立つ活躍を見せた背番号59の平良拳太郎を、候補に加えてもいいかもしれない。現在の背番号のイメージが定着している中堅の中からも、「われこそは」と名乗りを上げる投手が出てこないとも限らない。

 三浦新監督ら首脳陣とフロントにしてみれば、適任者不在で「空き番」時代が長引く事態だけは、なんとしても避けたいところだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)