過去10年のドラフト指名選手の実績を集計、投打ともにトップの球団は…

 過去10年のドラフトで入団した選手の球団別の実績を集計した。各球団がその選手たちをいかに育成したかを数値で見ていこう。

 まずは野手。2008年以降のドラフト入団選手の球団別の安打数順。大谷翔平も含むが、他の投手の打撃成績は含まず。

西武 25人 3569安313本1552点376盗
ロッテ 26人 3519安152本1194点457盗
DeNA 32人 3222安268本1275点151盗
日本ハム 30人 3105安170本1120点444盗
広島 26人 2500安233本999点247盗
中日 33人 2291安101本617点231盗
オリックス 35人 2202安96本750点205盗
ソフトバンク 45人 2153安187本854点256盗
阪神 28人 2114安150本783点191盗
巨人 41人 2113安174本803点159盗
ヤクルト 25人 2037安199本846点241盗
楽天 35人 1719安113本639点106盗

 西武は秋山翔吾、浅村栄斗がともに1000安打を超えている。この2人を生み出したのが大きい。ロッテが2位。鈴木大地、岡田幸文、清田育宏と500安打以上打った選手が3人。中堅クラスの選手が育っている。

 DeNAは、セ・リーグでは1位。500安打以上は筒香嘉智だけだが、300安打以上が5人。本塁打は最多。日本ハムは西川遥輝が500安打以上、300安打以上が3人。西川、中島がいるので盗塁も多い。広島は菊池、田中広輔が500安打以上だ。

投手の勝利数トップは西武と…

 中日は大島洋平が1107安打と全安打の半数近くをたたき出している。他に300本以上打った選手はいない。オリックスは安達了一が500安打以上、300安打以上は駿太。ソフトバンクは柳田悠岐と今宮健太の2人で1448安打を記録している。

 阪神は、上本博紀の476安打が最多。300安打以上は1人だけ。巨人は、長野久義が1人で1160安打。これは同時期のドラフト入団選手で最多だが、他の野手はほとんど育っていないといえそうだ。

 ヤクルトは山田哲人が762安打、中村悠平が474安打。この2人以外はレギュラーになっていない。最も安打数が少なかったのは楽天。最多安打は岡島豪郎の476安打、続いて島内宏明の410安打となっている。

 投手はどうだろうか。勝利数順。

西武 34人 282勝274敗153S 232H
楽天 41人 282勝301敗97S 92H
日本ハム 36人 271勝239敗124S 398H
ソフトバンク 47人 242勝156敗4S 221H
巨人 58人 235勝189敗84S 152H
広島 38人 233勝219敗111S 235H
DeNA 43人 215勝260敗136S 465H
中日 42人 200勝241敗105S 377H
オリックス 42人 194勝240敗20S 314H
ヤクルト 40人 190勝221敗63S 274H
ロッテ 41人 183勝214敗147S 367H
阪神 32人 153勝158敗3S 126H

 野手に続いて投手でも西武がタイながら1位。菊池雄星が59勝、野上亮磨と牧田和久が53勝。ただ、野上はFA権を行使して巨人に移籍し、牧田はポスティングシステム(入札制度)でのメジャー移籍を目指している。楽天がこれに並ぶ。則本昂大が65勝、美馬学が41勝。楽天は打者の育成は最下位、投手は2位。ドラフトでは投手に力点を置いていたことがわかる。

トータルでは野手、投手ともにパ・リーグがセ・リーグを上回る

 日本ハムは大谷翔平が42勝、増井浩俊が110セーブ129ホールド、谷元圭介が107ホールド。しかし、この3人とも来季は日本ハムにはいない。ソフトバンクは攝津が77勝73ホールド。この時期のドラフト入団選手で最多勝だ。武田翔太は48勝となっている。

 巨人は菅野智之が61勝、澤村拓一は44勝73セーブ。広島は野村祐輔が58勝、今村猛が34セーブ97ホールド。DeNAは、井納翔一の34勝が最多だが、10勝以上が11人いる。中日は大野雄大の49勝が最多、又吉克樹と田島慎二が揃って91ホールド(田島は60セーブ)だ。

 オリックスは西勇輝の64勝が最多。佐藤達也が109ホールド。ヤクルトは小川泰弘の52勝が最多。秋吉亮が61ホールド34セーブ。ロッテは石川歩の39勝が最多。益田直也が111ホールド58セーブ。そして、最下位は阪神。2008年以降のドラフトで入団した投手では藤浪晋太郎が45勝しているが、10勝以上は5人しかいない。阪神は外国人頼みであることがここからもうかがえる。

 野手、投手ともにパ・リーグの実績がセを上回っている。

野手
パ・リーグ 196人 16267安1032本6109点1849盗
セ・リーグ 185人 14277安1132本5323点1189盗

投手
パ・リーグ 241人 1454勝1424敗545S 1624H
セ・リーグ 253人 1226勝1288敗502S 1629H

 育成能力ではパがセよりも優れていると言わざるを得ない。交流戦でのパの圧勝の一員にもなっていると思われる。しかし、今季の状況でもわかるように、パの有力選手はFA年限を過ぎるとチームを離れることが多い。丹精込めて育てた選手の定着率ではセの方が上回っている。(広尾晃 / Koh Hiroo)