小、中学生は食事からタンパク質を摂取したい

 体格はパフォーマンスと密接に関係する。体を大きくするためにポイントとなるのが食事だ。多くのプロスポーツ選手をサポートしている公認スポーツ栄養士・酒井美緒さんによる連載「成長メシのすすめ」最終回の第4回のテーマは「内蔵機能の強化」。ジュニア世代は胃腸を鍛えることが大切だという。

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 もっと打球を遠くまで飛ばしたい、もっと速いボールを投げたいと思って体を大きくしたいと考えている選手は多いと思います。そのために食事はすごく重要になりますが、注意していただきたいのは小、中学生は内臓機能が十分に発達していないという点です。

 この時期は、胃や小腸、肝臓や腎臓といった内臓機能が発達する時期です。まずは、消化吸収がよくなるように胃腸を鍛えることが大切です。そうすることで、栄養素を吸収しやすい体になっていきます。

 内臓は筋肉でできているので、タンパク質を不足させないことが大事です。朝、昼、晩3食摂取すると良いですね。私がお勧めしているのは、1回のタンパク質の量は大人の片方の手の平くらいを目安に摂取することです。例えば、卵1つを手の平に乗せると、半分ほどしか埋まらないので、これだけでは足りません。卵にプラスして納豆を食べるとタンパク質が補いやすくなります。肉や魚も手の平の大きさを目安にしてください。

 社会人やプロ選手の中にはタンパク質を補給するためにプロテインを飲む方も見受けられますが、小、中学生はなるべく食事からタンパク質を補いましょう。プロテインは液体なので消化吸収しやすいメリットはありますが、それに慣れてしまうと固形物からの栄養素を摂取しにくい体になってしまいます。

量を分けて食事の回数を増やしてもOK、就寝2時間前には食べ終えたい

 自分の胃腸の機能を使って、栄養素を吸収する体づくりを心掛けてください。それからシンプルなことですが、栄養素を吸収するために良く噛んで食べるのはとても大切です。

 小、中、高校生は成長期で体重が増えやすく、身長も伸びやすい時期です。成長期は「運動するエネルギー」と「成長に必要なエネルギー」が必要になります。運動のためだけではなく、成長のためにもエネルギーが必要だという事を覚えておいてください。

 男子で最もエネルギーが必要な年齢は15歳から17歳になります。目安は1日2750カロリー〜3150カロリーです。普通の生活活動であれば2750カロリー、スポーツ等で身体活動量が多い場合は3150カロリーとなります(食事摂取基準2020:推定エネルギー必要量より)。

 1度にたくさん食べられない人は、量を分けて食事の回数を増やしても問題ありません。注意しないといけないのは食事の時間が寝る直前にならないことです。午後9時半に寝るのであれば、7時半には食事を終えるのが理想的です。

○プロフィール
酒井美緒(さかい・みお)管理栄養士/公認スポーツ栄養士。兵庫県尼崎市出身。2012年国家試験合格。女子野球チームの球団管理栄養士を担当。2016年株式会社スポーツフィールドに入社。2018年日本スポーツ協会と日本栄養士会共同認定である公認スポーツ栄養士を取得。アスリートのキャリア支援を行いながら、個人、チーム、保護者問わずアスリートの栄養サポートを業務に従事。大学の授業や行政機関のイベントにも数多くの登壇実績を持つ。Twitter:https://twitter.com/923_mio(記事提供:First-Pitch編集部)