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海外ブランドが隆盛のゴルフギアにあって、国内の「フォーティーン」が元気だ。今秋発表された新製品は先鋭化したクラブ特性のみならず、ラインナップ全体としても非常に意欲的。そこで、ゴルフ雑誌「EVEN」では、彼らの拠点である群馬県内のフォーティーン本社フィッティング施設を訪ね、開発を担う同社池田氏にインタビューを敢行、テスターによる試打を行なった。(※本内容はEVEN2020年12月号に掲載したものに加筆したものです)

新「ゲロンディー」でベテラン競技アマにセッティング革命を

本題に入る前に、フォーティーンがこの秋リリースした2つの新製品について触れておきたい。一つめは「GelongD(ゲロンディー IX/UX)シリーズ」。同社が誇る伝統の飛びの称号、ゲロンディーのアップデート版だ。かつてそのゲロンディの飛びに熱狂したベテラン競技アマ達へ、再び飛びの福音をもたらす二つの新生ゲロンディの主な特徴は、ダウンブロー軌道の競技者ゴルファーが思い通りに飛ばせる工夫と、#5〜8番まで共通のロフトピッチを備えたコンボセッティングへの対応力にある。

飛距離を求める競技者に最適なUTとアイアンを

“すべてのゴルファーにベストな14本を”。フォーティーンというブランド名の由来が示す通り、彼らのモノづくりは常にターゲットが明確だ。新作「ゲロンディーIX/UX」シリーズも然り、本作はベテランの競技系アマチュアが飛距離を追求するために生まれたモデルである。

アイアンとユーティリティでロフトピッチが共通。クラブレングスやクラブ重量などは異なり、等長アイアンなどとはことなり同じ番手での縦距離の一致を狙った仕上げだ。

『IX001』は同社伝統の中空構造を採用した中空アイアン。7番で26度のストロングロフト設計だが、一般に大型面長で低重心設計な同種の飛び系アイアンとは異なり、あえてやや小ぶりで重心も高めに設計。これは打ち込む軌道が多い競技者でも、重心より下でコンタクトでき、高い打ち出しとスピン量を確保すると同時に、ヘッドの操作性も狙ったもの。ダウンブローを想定したソールもバウンスが強い独自のソール形状で、そこにはカスタムウェッジの”御三家”を担う、評価の高いウエッジのノウハウが生かされている。

クラブの顔にこだわりが強い競技者が構えやすいよう、アイアンとユーティリティで違和感なくアドレスできる工夫を施す。 同じロフトでのユーティリティとアイアンの弾道イメージ。UX001の方がキャリーは出て、スピンが多く、最高到達点も高い。IXは最高到達点の高さはユーティリティよりに劣るがスピンが少ない弾き系でランがユーティリティより多め。

一方、長い番手のクラブで高さが出せない場合には『UX001』がその役を担う。アイアンと共通のロフトピッチで自由に組み合わせでき、アイアンとの同一番手間で飛距離の共通化を実現。つまり、これまで飛距離が欲しいが既存の飛び系アイアンやユーティリティを扱えなかった競技ゴルファーに飛びと、セッティングの自由度を与えてくれる革命的クラブなのである。

IX001は、極薄フェース+鍛造ボディの中空構造を採用したヘッドは本格派マッス ルバックのようなシャープな見た目 で、一般的なストロングロフトアイ アンとは一線を画す。UX001は、競技アマがロングアイアンの代用に使っても、アイアンの流れを阻害し ないストレートネックで小ぶりなユ ーティリティ。ラフに強くて操作性 も良く、ダウンブローに打ち込める。 1998年にチタンヘッドとルール限界の48インチのシャフトを組み合わせた長尺ドライバーで飛ばしの新時代を切り開いたフォーティーン伝統のブランドがゲロンディー。巧みな重心位置やクラブ長は本モデルにも継承。 単一素材の軟鉄鍛造限界のやさしさをもつみんなのフラットバック「TB-5フォージド」

見た目の格好良さとクリスピーな打感。異素材複合、中空構造のやさしいアイアンが全盛の時代にあっても軟鉄鍛造のフラットバックには他にはない良さがある。『TB-5』は、そんなフラットバックとキャビディの良いとこ取りなエポックだ。

フォーティーン TB -5 FORGED 素材:S20C軟鉄鍛造 ライ角:62°(#7) クラブ重量/シャフト:407g(#7)/FS-90iスチール(S/93g) 価格:5本セット(#6〜P)¥110,000+税〜、単品(#5)¥22,000+税〜 一般に軟鉄鍛造アイアンに使用される 素材の中で、最も炭素の含有量が少な く(0.2%)、軟らかいとされるS20C のみを使用。無垢の単一構造でできる 限界の性能を追求している。

見た目が良くて寛容性も高い。フォーティーンのクラブ全般にはそんな印象がある。同社のアイアンのラインナップにおいて、「5」番台が付されたシリーズもまた、そんな見た目とやさしさを兼備したキャビティモデルという位置付けだった。だが、ライバル他社が異素材複合でアイアンのテクノロジー競争を続ける中、彼らはあえて軟鉄鍛造単一素材を追求してきた。それは無垢の素材でしか味わえない打感やフィーリングを求めるゴルファーに応えるため。

構えた顔はややグースネック。大きすぎないセミラージヘッドなので安心感もあり。ロングからショート番手までつながりに違和感がない上、ロング番手は通常よりワイドソールで見た目以上にやさしく打てる。

本作『TB‐5 フォージド』は、そんな軟鉄鍛造単一素材ならではの打感と、見た目の良さ、寛容性すべてを備えたフォーティーンの解答だ。キャビティ部の段差をなくし、薄肉のエリアを狭く、厚肉のエリアを広げた「シアターブレード」と呼ぶ劇場のスクリーンのような偏肉厚フェースが手に伝わる振動と、重心を制御。打点裏周辺の肉厚を確保する一方、上下左右に厚みのある周辺重量配分で打点ブレにも強さを発揮。コンベンショナルアイアンのようなすっきりしたバックフェースでありながら、同種のアイアンでは決して持ちえない寛容性を実現してみせた。ややグースしたつかまり顔のセミラージサイズヘッドは安心感が高く、ウェッジ譲りの巧みなソール形状がダフりのミスもカバーしてくれる。

軟鉄鍛造の打感の良さは、打点付近の素材の厚みに依拠するが、寛容性を高めるには薄肉化が必要。そこで、平坦なバックフェースを滑らかに弧の字を描く劇場型(「シアターブレード」)にすることで、打感と寛容性、美しさすべてを実現させた。また、シアターブレード構造により、左右方向に最適な肉厚へ配分。ワイドソールと厚みのあるブレードも上下方向へ周辺重量を配分。ショートネック、セミラージヘッドで重心位置設計のみとは思えない寛容性を持つ。 #7で30°のストロング過ぎないロフト設定は、番手なりの高さで打ちやすい。実はこれ、最新のフォーティーンのロフトピッチに基づいており、昨年リリースされた中空モデルの『IF-700FORGED』と共通。新作ゲロンディーも番手は異なるもののピッチは統一されている。 ギアライター高梨氏がTB-5をインプレッション ゴルフギアライター高梨祥明氏 長年、ゴルフ専門誌でゴルフギア全般を担当し、 各国のクラブメーカーの開発中枢を取材。こだわりのゴルフグッズを扱うECショップ「バッグドロップモール(www.bagd rop-mall.com)」を主宰。

「段状に肉を盛ったベンホーガンの“ブレードオンブレ―ド” とは逆に、中央を凹ませた“ブレードインブレード” とも呼ぶべき形状ですが、滑らかな段差の構造は、総じて打感が良いものです。実際に打ってみると打感が非常にクリアです。アベレージ層が長い番手を打っても球が上がり、ダフりのミスに強いのは、一般的なマッスルバックに比べ2番手は大きいヘッドサイズと、5番と9番のソール幅が変わらない低重心設計の賜物。見た目のシャープな印象に反して、とてもやさしいですね」

新製品ラッシュに込められた原点への思い

これら新製品の特徴を押さえたところで、本題にうつろう。ここまで見たように、フォーティーンは今、製品ラインナップに大きな変革を迎えている。そう感じた編集部は10月某日、同社の開発拠点を訪れる機会を得た。迎えてくれたのは池田純氏。競技アマであり、創業者・故竹林隆光氏の思いを受け継ぐ一人でもある彼に話を聞いた。

フォーティーン 池田 純 マーケティング担当にしてテスターも務める。輝かしい戦績を持つ業界屈指の競技アマチュアとし ても有名。取材チームのクラブフィッティングもお願いした。

「プレーヤー自身にベストな14本を。創業の原点でもあるこの思いを掲げた竹林自身、14本を最大9つのメーカーで構成していたという逸話があるほどでした。また、自分自身、長い番手のアイアンに打ちにくさを感じ始める中で、より自分に合ったクラブを選べるようにしたいと考えたのです。

本社併設のフィッティングスタジオでタイプの異なる3名で池田氏にフィッティングをお願いした。

アマチュアのプレーを左右するのはロフト角30度までのクラブにあります。球をつかまえて、ロフトなりに球を上げて、グリーンで止められる。そのために複数の選択肢を用意すること。今回のモデル拡充の目的はそこにもあったのです」

同シリーズであるゲロンディーIX/UXシリーズはもちろん、TB-5やIF-700までロフトピッ チを統一。目的や技量に合わせて選べる、まさにブランドを体現するような大革命を断行。

上の表を見てほしい。先行発売していた「IF700フォージド」を含めた各モデルのロフトピッチは完全に一致。番手こそズレはあるが、各ロフトに対する飛距離はほぼ同じとなるように開発されているため、これによりコンボセットを含むより自由なセッティングを実現させたのだ。
その言葉を確認すべく、取材チーム3名で急遽フィッティングを依頼、結果は下記に記すが、タイプの異なるゴルファーに最適解がズバッと示された。クラブでゴルフを変えたい人は、試す価値大だ。

フォーティーン本社には、一般ユーザーも利用できるフィッティング施設を完備。最新モデルが試打でき、弾道計測「GC2」 も備え、専任スタッフが最適なクラブを提案。購入も可能で刻印などのサービスも。☎027-387-8760(要予約 平日9〜17時)住所:群馬県高崎市吉井町神保722 技量の異なる3名が最新のフォーティーンをフィッティングしてみた

HS43m/s最近スコアが出ないモデル ナカジマの場合

ゴルフのティーチング資格も有する実力派のモデル、ナカジマ。近年はプレー頻度も控えめとなっているため、長年愛用するマッスルバックのアイアンが辛く、もっと楽に球を上げて、打ちたいというのがお悩み。

「ロフト角が、現在使っているマイクラブの#5相当であるTB-5 #6で打ったら距離が10y アップ。同じロフトのゲロンディーのUX-001 #7を試したらさらに5yアップしました。しかもアイアン型のIX-001と打ち比べると最高到達点は低めでも、縦距離が揃いました」と池田氏。マッスルバッグに劣らない打感の良さを備えるTB-5を基本に、長い番手をゲロンディーでコンボ。最新クラブの恩恵でモダンなセッティングが完成した。

HS38m/s飛距離が欲しいゴルフ女子Sabuさんの場合

ゴルフタレントとして活躍するSabuさん。元スポーツクラブインストラクターという肩書が証明するように、女性としては振れる方だが、飛距離アップが命題という。

「苦手意識がないなら、ロフト角30度以下はフェアウェイウッドを選ぶと良いと思います。今お使いのマイクラブではロフト34°の#8で110yでしたが、同じロフト角のUX-001なら130y、20y 伸びました。弾道の高さを確認しながらフルショットはゲロンディ、下はウェッジ3本でギャップを埋めると良いと思います」

女性ゴルファー特有の「どの番手でも飛距離変わらない問題」は、アマチュア特有のロフト角30度以下クラブの難しさにある。1ラウンド中一度も触らないアイアンをバッグに入れるなら、フェアウェイウッドの7w、9w、11wなどを積極的に使うのが女性ゴルファーのスコアアップの鍵かもしれない。

HS38m/sゴルフは見た目なカメラ六本木の場合

40代から始めた遅咲きゴルファーのカメラマン・ロッポンギ。50歳を超えてから、身体の負担が少ないやさしく打てるクラブが気になっているという。

「マイクラブは大型ヘッドの複合キャビティ。打点ブレには強いですが、フェースが開いて右にミスしがちなのは、同種の飛び系アイアン特有の長すぎる重心距離の問題かもしれません。TB-5はショートネックで番手別にフェースの厚みを調整することで、重心点がヘッドの中央寄りでヘッドも返りやすく、打点ブレやダフりのミスにも強くやさしく打てます」との提案。

実際に売ってみると苦手なはずの#6もしっかり球が上がった。実は、初めて買ったゴルフクラブがマッスルバックだったという、見た目重視の血が騒いだか、結果的にも見た目でも6〜Pw全番手をTB-5にする結果に。打ち手の技量に関わらず使えるのがTB-5の特徴のようだ。

以上、三者三様のクラブの悩みを見事に解決したフォーティーンの最新ラインナップ、ぜひ、ご自身の手でその性能を確かめていただきたい。

(問)フォーティーン ☎027-387-8760