そのなかで、裁判員には事実認定までを任せ、量刑はこれまで通り職業裁判官が行う「陪審制」を導入すべしとの意見は傾聴に値した。

 10年を経た今、裁判員の辞退率は8割を超えるという。それでも書面を法廷に提出するだけで、わずか数分で終了してしまう従来の刑事裁判の現実が変化し、きちんと証人尋問などを行う公判中心主義に変わってきたのは、大きな成果ではないか。そうした進歩や課題を将来の刑事司法にどう生かしていくか、裁判員と上級審双方の言い分をバランスよく、わかりやすくまとめた。被害に遭われた遺族には過酷な現状だが、だからこそ今一度、国民的議論が必要だろう。そのきっかけとなる報道機関らしい力作だ。(旗本浩二)


★ギャラクシー賞月間賞とは?=NPO放送批評懇談会が、優れた番組を自主的に選び出す制度。月間賞に選ばれた番組は、年間のギャラクシー賞審査に自動的にエントリーされる。