名のある大作を押さえて2020年度英国アカデミー賞・ベストゲーム賞を受賞した『Outer Wilds』。SFファンに向けて一言で説明すると、本作は小説「星を継ぐもの」を体験できるゲームです。惑星規模のダイナミックな現象を目の当たりにしながら、滅んだ古代人の謎を紐解いていく、まさにハードSFの世界を飛び回ることができるのです。惜しくも受賞は逃したもののネビュラ賞にもノミネートされた本作は、アーサー・C・クラークの壮大なビジョンが好きな人なら絶対にプレイしていただきたい作品です。

練習問題の解答
日本アメリカ(FBI)などフランス
Glockシリーズはアメリカを始め世界中の軍や警察で採用され、ゲームでも主要な武器としてよく登場します。警察が使う全体が黒い銃は大体Glockとみて間違いありません。ピンチの時に頼もしい相棒となる銃、それらがどういう状況を想定しているのか、設計思想を知るとよりスマートに使いこなせるようになるでしょう。

Let’s Play in English:宇宙系知識は必須。難しい議論にもついていこう

『Outer Wilds』では古の民族Nomaiについての調査が主となり、彼らがどんな研究をしていたのかが行く先々で明らかになっていきます。Nomaiが精緻な天文観測を行っていた痕跡も残っていて、彼らが求めた謎の答えをプレイヤーも追っていきます。


Nomaiの民はグループで行動していたようで、古代文字の解読をすると彼らの議論の様子が読み取れます。主に惑星で起きている現象についての考察や、今後の方向性についてなど内容はやや難しいもの。学術系や技術系の文脈で会話している場合が多いので、設定で時間が進まないようにして、辞書を片手にしっかりと読み込んでいきましょう。


探索の途中では、先に旅立った仲間のHearthianと出会います。宇宙人といっても問答無用で撃ってくる連中と違い、どこかの「緑」と仲良くなれそうな気さくな人々です。キャンプで聞けるのは主に彼らの体験談。文量は多いものの、休息の間の団欒という雰囲気で、マシュマロを肴に焚火を囲んだ穏やかなひとときに浸ってみるのもいいですね。

観測所の展示を詳しく見てみる
出発地点のTimber Hearthにある観測所には、ちょっとした展示物が飾られています。Nomaiの遺物もありますが、科学の展示を見ることで、この世界の物理法則やHearthianの科学がどのくらいの水準なのかを確かめられます。ここ、大事なポイントです。


水平状態に置かれた盆の上を、ひとりでに動き続ける金属の玉。これは、母星であるTimber Hearthとは別に、物体には別の重力が働いていることを示しています。ここではAlterrockですが、地球上でも同様の現象はあり、分かりやすいのが月と潮の満ち引きの関係ですね。海の水だけでなく、普通に生活している皆さんにも月や太陽、そのほかの惑星、果ては天の川銀河のブラックホールの重力が微弱にかかっていて、広い宇宙の力とわたしたちは常に繋がりを持っているのです。


こちらの展示は、星の大きさと核融合反応に関するもの。軽い星だと水素、ヘリウムまでで止まり、最後は徐々に暗くなる矮星矮星になります。逆に重い星は核融合はさらに進んでいき、炭素や鉄などの重い元素まで生成します。生み出される熱量が莫大になり、星の温度が上がっていくと、今度は逆に星のコアにある元素の崩壊が始まります。

すると、中心部が放出する爆発のエネルギーが減少して、支えを失った周囲の物質が一気に収縮する「重力崩壊」が起きます。急速に圧縮された星全体は大規模な核融合を発生させ、全てを吹き飛ばす「Supernova(超新星爆発)」に至るのです。超新星爆発でしか作られない元素もあり、一度星は滅んでも再びそこから新たな星が生み出されます。プレイヤーがループの際に目撃するのは、この重力崩壊から爆発までのプロセスというわけです。


この観測メモは、「Redshift(赤方偏移)」について。救急車のドップラー効果と同じように、光も光源が遠ざかっていくと波長が長くなります。これを赤方偏移と言います。現在地球から観測できる銀河の全てに赤方偏移が確認できますが、これは全方向に向かって遠ざかっていることを示しています。つまり、宇宙空間そのものがどんどん膨張し、さらにはそれが加速しているということなのです。膨張の原因は未だに不明であり、仮に「ダークエネルギー」と名付けて研究されています。天文学で「ダーク」と名の付くものは説明が付かないけど有るらしいもの、というぐらいの意味合いですので、ダークマターという物質などが実在確認されたのではありません。

以上のことから、この『Outer Wilds』の世界はわたしたちの知る宇宙のどこかにあり、Hearthianは人類と同等以上の科学水準にあると分かります。そんな彼らをも超えるNomaiの技術とは一体どのようなものなのか、旅立つ前から好奇心をそそられますね。

天文考古学へようこそ 過去、現在、未来が繋がる

古代の人間が天文観測をどのように行っていたのか、それに特化した研究分野が実際にあり、それが天文考古学と呼ばれるものです。エジプト、マヤ、イスラムなど、近代ヨーロッパ以前から人類は星の動きを観測し、一年のリズムを知る暦を生み出してきました。世界各地に残されている、大規模な遺跡の中には天文観測のための装置も多くあり、彼らがどのように宇宙を捉えていたのかを知るのが天文考古学の役割です。

例えば、中央アメリカのマヤ文明で使われた「長期歴」は約5125年ですが、これは火星、金星など惑星の動きから導き出された周期であり、地上から見ると不規則になる惑星を細やかに観測していたことが窺えます。古代ギリシャでは天体の動きを計算する「アストロラーベ」という道具が開発され、後のイスラム圏では精緻な工芸品にまで発展します。

わたしたちが見ている星空の景色も、古代人が見ていた星空も、大まかには変わらないものですが、その捉え方は時代や文化によって大きく変わります。しかし言葉が一度失われてしまうと、後に解読できてもその精神性は甦ることはありません。グローバル化が進むこの地球では、現在2500種類もの言語が消滅の危機に瀕しており、受け継がれてきた知識も同時に消えてしまうでしょう。少数民族の伝承の中にも、日食や彗星などの現象を伝えるものがあり、希少言語の保護も天文学の一端を担うものなのです。

覚えておきたい英単語集:知識は奥深い宇宙の入り口
Observatory:観測所、天文台Gravity:重力Supernova:超新星爆発(複数形はsupernovae)Hypothesis:仮説Blamble:イバラHourglass:砂時計Interloper:侵入者(太陽系外からの)Vessel:容器Anglerfish:アンコウQuantum:量子

今週のキーフレーズ:Even though my time with him was short, I miss my old mentor, and deeply.

「彼と過ごした時間は短かったが、老先生にまた会いたい、心の底からそう思う」
昔の人でも今と同じことを考え、思う。そんな記録が古文書を研究するとたくさん出てきます。彼らも古文書になることを想像して書いたのでなく、彼らの「今」を書いただけなのです。翻って、わたし達のデジタルなつぶやきや日記も、1000年後には貴重な資料となるはずです。現代でもデータの半永久アーカイブ化研究が行われており、今つぶやいた愚痴の一言が未来永劫残るかもしれませんね。

練習問題:次の超新星が記録された文書を答えなさい。

SN 185SN 393SN 1054
超新星爆発はSNの略号に観測された年代を付けて記録されています。今回の問題だとそれぞれ185年、393年、1054年に観測されたものです。昔の人にとっても突然光り出す星は驚きで、それらの記述や言い伝えを比較し、現在の観測データから逆算して超新星を特定できます。もし不思議な現象を見かけたら、とりあえずその場でつぶやいておけば、後の科学者の役に立つ情報になるでしょう。