いよいよ来月11月12日に発売が迫った、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの次世代機「PlayStation 5」(以下、PS5)。すでに予約が取れないことでも大きな話題を呼んでいる中、編集部では、先行してPS5に触れる機会を得ました。

今回は『ASTRO's PLAYROOM』をプレイ。本作はPS5にプリインストールされているアクションゲームです。ハードにどんな処理能力やグラフィックがあり、そして新たなコントローラー「DualSense」にはどんな反応があるかを確認するのにうってつけのソフトとなっています。


『ASTRO's PLAYROOM』で注目すべきは、新機軸を押し出した「DualSense」の魅力を発揮している点です。今回のインプレッションでは、PS5コントローラーにはじめて触ったとき、どんな手応えなのかを想像できるようにお伝えしましょう。

ゲームの世界に触れるかのような「DualSense」の反応

基本的に『ASTRO's PLAYROOM』はシンプルな3Dアクションです。□ボタンで敵を攻撃し、×ボタンでジャンプして先へ進んでいく、とてもオーソドックスなゲームデザインとなっています。ライフは存在せず、敵に当たったり、ステージから落下したりすると一発でミスになり、チェックポイントから再開する構成です。

こうテキストや動画でお伝えするだけならば、特筆すべき目新しさはないのですが、実際にプレイすると違います。「DualSense」が、さまざまなアクションに対応して面白い反応を見せるのです。端的に言えば振動機能がこれまでのPSコントローラー「DUALSHOCK」と比べて、段違いに精微になっています。


現実世界において、たとえば砂浜を歩いたとすると、足が砂に埋まり、ざらざらとする触感を覚えるでしょう。または凍った場所を歩いたとしたら、氷を踏みしめる音や、つるつると滑るような感覚があるでしょう。

DualSenseでは、ざらざらとした場所やつるつるとした場所の手触りをプレイヤーに感じさせる。
「DualSense」では、なんとそれらのロケーションに合わせた振動が伝わるようになっているのです。

『ASTRO's PLAYROOM』では、砂浜や凍った場所といったステージを歩くのに応じて、その手触りの違いがコントローラーから感じられるのです。振動の精細さが向上しただけではなく、コントローラーのスピーカーも格段に向上した印象があり、さらに没入感を高めています。

凍った場所を走る手触りもコントローラーから伝わる。
これまでは、戦闘シークエンスのようなダイナミックな状況をプレイヤーに感じさせる意図で振動機能が使われてきましたが、これからはプレイヤーのいる場所や状況を感じさせるための振動という、よりゲームの世界を生々しく感じさせるためのゲームデザインが可能になるように思えました。

これまでにも細やかな触感を感じさせる振動はまったくなかったわけではありません。PS2の『ICO』にて、ヒロインと手をつないでパズルを解いていくアクションADVがあり、そこでは手をつなぐ動作からうっすらと振動がありました。

それ以降は細やかな振動演出で目立ったものは(あくまで筆者の視点ですが)少なかったなか、PS5からは繊細な演出もプレイヤーがその手で触れられるようになることで、新しいゲームプレイも生み出せるのではないか? そう感じられました。

DualSenseの機能を全面に生かしたアクション
内蔵マイクは、声を拾うだけではなく息を吹きかける操作にも対応。
DualSenseは、もちろんきめ細やかな振動だけが特徴ではありません。PS4コントローラーからひき続き、モーションセンサーとタッチパネルの機能を引き継ぎ、マイクを内蔵することでさまざまなアクションができるようになっています。

PS5コントローラーのマイクは、たとえばゲーム実況をやるときなどにマイクをセットしなくても実況しやすくするコンセプトがありますが、それだけではなく息を吹きかける操作もできるようになっています。


『ASTRO's PLAYROOM』では、風車のギミックがステージにあり、息を吹きかけることで動かすことができるのです。ただし、けっこう強めに息を吹き続けないとギミックが動かないこともあり、このあたりはプレイヤーの肺活量も試してくるところがありますね。


DualSenseではさらにR2・L2トリガーも「アダプティブトリガー」としてバージョンアップ。ゲームプレイの変化に合わせてトリガーの固さが変化するのです。

『ASTRO's PLAYROOM』では、バネ型のキャラクターに変わるステージでアダプティブトリガーを生かしたゲームプレイを展開されます。


このシーンでは2Dプラットフォーマーとなり、バネになったキャラクターを操作して進むものに変わります。ここでの操作はスティックを使わず、R2・L2トリガーとモーションセンサーを使って操作するのです。

左右のトリガーの方向にジャンプさせ、空中でコントローラーを傾けることで操作することになり、面白い手応えを持っています。トリガーをグーッと引いて、ジャンプの溜めを作るときにはバネの金属らしい手触りと固さを感じさせるのです。

先の細やかな振動機能に加え、シーンによってトリガーの固さが変わってくる演出によって、押す動作や引く動作、あるいは握りしめるような動作の質感がよりリアルに伝わってくるのです。まさにDualSenseでは「触れる」だけではなく、そうした手応えも表現することで、ゲームの世界に入りこめるコントローラーだと言えるでしょう。

DualSenseから想像できる、これからのゲームのかたちとは
このように『ASTRO's PLAYROOM』では、オーソドックスな3Dアクションを通じてDualSenseの魅力を真っ先に伝えてくれるタイトルとなっています。PS5を購入したらまず本作に触ってみることでそれがわかるでしょう。

ひと通りプレイして感じたのは、「ハイクオリティなグラフィックによるリアルな世界を描くタイトルよりも、もしかしたらカートゥーン的なアプローチを取ったタイトルの方が、DualSenseの魅力を引き出せるのではないか?」 ということでした。

というのも、コントローラーに追加される新機能は見方を変えれば面白いおもちゃのような手触りも感じられたからです。その意味では『ASTRO's PLAYROOM』に近いジャンルとして、PS5専用タイトルとして名を連ねている『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』あたりが、PS5コントローラーをどれだけ上手く使えるのかを期待してしまいます。

これまでの様々なコンソールを振り返ってみても、新ハードにおける新コントローラーの機能が思い切り活かされるのは、ローンチ後されてから1、2年が特に活発になりやすいです。

PS5にしかない、DualSenseの新たな可能性を引き出すタイトルが、これからどれだけ出てくるか興味が湧くほど、面白い特徴を備えたコントローラーだったことは言うまでもありません。