ソニーは1月12日に、オンライン上で開催中の家電展示会「CES 2021」にてデジタルプレスイベントを公開しました。ここでは、液晶/有機ELテレビ「BRAVIA XR」シリーズや新型撮影ドローン「Airpeak」のほか、撮影技術のデモンストレーション映像などが掲載されています。イベントではこれらのほか、主にクリエイター向けの製品が中心に紹介されました。そこで本稿では、その中から今後のゲームにも影響を与えそうなものをいくつかピックアップして紹介していきます。マディソン・ビアー イマーシブリアリティ・コンサートソニーミュージックのアーティストと最新技術を融合する「A Sony Collaborations Series」の一環として、完全にヴァーチャル化された音楽パフォーマンスコンテンツ「マディソン・ビアー イマーシブリアリティ・コンサート」が発表されました。PS VRのほか、モバイル機器、ストリーミングサービスに向けて配信が予定されています。これは、マンハッタンに2018年にオープンしたソニーホールの空間をUnreal Engineで再現し、その中で歌手であるマディソン・ビアーのパフォーマンスを行うというもの。炎や雨など、仮想空間でしかできない演出を織り交ぜるなど、短いながらも画期的なVRコンサートになりそうです。モーション収録の際にはリアルタイムレンダリングされたVRをリモートで見ながらのディレクションを行なったそうで、将来的にはVRライブ配信も実現するかもしれません。また、ソニー・ミュージックエンタテインメントのDennis Kooker氏は「SIEと共にPlayStation 5への継続的な展開をサポートする」と発言しており、コンソール機がアーティスト活動の新しい場になる可能性を予感させます。“Cognitive Intelligence TV”BRAVIA XRソニーが展開するテレビブランド「BRAVIA」の最新モデル「BRAVIA XR」シリーズが発表されました。このシリーズの特徴は“Cognitive Intelligence”。つまり人間の「認知特性」に基づいたAIの搭載であり、これによって視聴体験を向上させると謳われています。人間が画面を見るとき、全体を満遍なく見るのではなく、人間の顔や特定のオブジェクトなどを部分的に注視・認知します。「BRAVIA XR」に搭載された「XRプロセッサー」はそういった人間のものの見方を判断し、より自然な見え方に近い画像の最適化を行います。デモンストレーションでは人間や動物の顔を認識して、その部分の明度だけを上げていました。オブジェクト単位の画質調整は以前からありましたが、この「BRAVIA XR」ではどこを優先的にするかにAIの判断が加わることになります。XRプロセッサーは音響面でも効果があり、従来の5.1chサラウンドから三次元的な5.1.2chの音場を自動的に補完する「3D Upcaling」を搭載。3D音響は現行機ではドルビーアトモス対応作品に限られていましたが、この技術によってあらゆる作品で3D音響を楽しめるようになります。また、BRAVIA XRシリーズには独自の動画ストリーミングサービス「BRAVIA CORE」が提供されます。このサービスでは「BRAVIA XR」シリーズに最適化されたPurestream機能によって最大80Mbpsのロスレスストリーミングが可能になり、ソニー・ピクチャーズの作品を中心に4KUHDと同等の映像品質を提供するとのこと。IMAX Enhancedコンテンツにも対応しています。さらにGoogle TVにも対応し、音声認識によるコンテンツ検索やIoT機器の操作もBRAVIAから行えます。4K/8K、液晶/有機ELで5機種が発売予定です。360 Reality Audio「360 Reality Audio」は、PlayStation 5に搭載されている「Tempest 3D Audio」とは別の音楽コンテンツ向けの立体音響システムです。「CES 2021」では、本システムを初めて映像と組み合わせた「ザラ・ラーソン 360 Reality Audioライブ」を配信しています(日本からはAmazon music HDと対応機器接続が必須)。裸眼立体視モニター SPATIAL REALITY DISPLAYこちらはクリエイター向けですが、視線を追従した裸眼立体視を実現する製品です。裸眼立体視自体はニンテンドー3DSで多くの人が体験済みでしょうが、この製品では見る角度を変えて「覗き込む」動作を実現しています。使用者の動きを認識し、上下左右に最適な角度へ自動的にオブジェクトを動かすので、立ち上がる、横から見るという動きにも自然に対応します。Unity、Unreal Engine 4にも対応し、ゲーム開発の現場への導入も見込まれるでしょう。ボリュメトリックキャプチャ技術モーションキャプチャーにはおなじみのポインター付きスーツが付きものですが、この技術ではそれが不要になります。従来は静止したモデルキャプチャとポインタースーツを使ったモーションキャプチャーを個別に行っていましたが、この「ボリュメトリックキャプチャ」ではアクターのアクションを収録し、そこから直接モデル制作を行うことが可能です。この技術の利点は、これまで個別に付けていた髪や洋服の動き、質感もスキャンされているので、リアル感が格段に向上することです。この技術がゲームに使用された場合、カットシーンやVRでほとんど実写に近いモデルが登場することもあり得ます。バーチャルコンサートとの相性も抜群なので、今後も要注目のテクノロジーですね。「CES 2021」はオンライン上で1月11日から1月14日まで開催中です。