気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Max Mraz氏開発、PC向けに1月21日にリリースされたゼルダ風ドット絵アクションRPG『Ocean's Heart』開発者へのミニインタビューをお届けします。本作は、探索に重きを置いたドット絵アクションRPG。プレイヤーは行方不明の父親を探す少女Tiliaとして壮大な冒険に挑みます。緊張感溢れるボス戦、採集やクラフト要素、たくさん用意されたサイドストーリーも特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。『Ocean's Heart』は、1,520円で配信中。――まずは自己紹介をお願いします。Max Mraz氏(以下Mraz氏)インディー開発者で本作のクリエイター、Max Mrazです。本作の開発はほとんど私一人で行いました。アメリカでインディー開発者だけで生活していくのはとても難しいこともあり、本職はソフトウェア開発者ですが、ミュージシャンでありアーティストでもあります。私の犬も支える人が必要なのです。――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?Mraz氏本作の開発は2017年の初め頃にスタートしました。「Solarus」というゲームエンジンについて知り、これを使って小さなゲームが作れたら良いなと思ったのです。もちろんコーディングについてはまったく知りませんでしたので、徐々に自分で覚えていくしかありませんでした!それから4年間、空いた時間を使って本作の開発を行い、当初予定していた小さなゲームと比べても、より大きなゲームになったのです。途中で制御が効かなくなっちゃったのかも知れません。――本作の特徴を教えてください。Mraz氏本作の特徴の一つが、クリアとは関係のないエリアとサイドクエストの数です。隠しダンジョンや街にいるキャラクターたちのサイドストーリーがあるので、プレイ時間は8時間から20時間と幅広くなるでしょう。ゲーム全体の半分以上はクリアと関係のない要素になると思います。寄り道したいプレイヤーにとって、やりこみがいがあるのではないでしょうか。何度も同じ出会いがあったり、何度も同じアイテムを手に入れたりする代わりに、本作における素晴らしいストーリーやアイテムは隠されています。実際、本作に散りばめられた謎や新しいエリア、キャラクターたちの面白いストーリーなどで寄り道し、当初の目的を忘れてしまうプレイヤーも多くいるようです。――本作が影響を受けた作品はありますか?Mraz氏おそらく明らかだとは思いますが、私は『ゼルダの伝説』シリーズからとても影響を受けています。ゲームボーイカラーで遊んだ最初のソフトの一つで、以来このシリーズが大好きです。『ゼルダ』が何よりワクワクさせてくれる理由は、プレイヤーを大きな世界に放り出しながらも、プレイヤーに「探索したい」と思わせてくれるからです。私は森や山にハイキングに行くのが好きなのですが、用意された道だけを歩くのは好きではありません。大きな岩の上に何があるのか、谷間には何があるのか、というのも見てみたいのです。『ゼルダ』はまさに、ゲームの中で「用意された道から外れる」ということをさせてくれ、それだけでなく、登った大きな岩の上には必ず素晴らしいものが用意されているのです。私は本作において、この感覚に力を入れたいと思いました。よりたくさん寄り道し、予想もしなかったものを見つけるというものです。また、私は『DARK SOULS』や『Bloodborne』のようなストーリーの描き方にも影響されました。これらの作品の世界ではたくさんの出来事が起きていますが、プレイヤーの役割な小さなものです。歴史を作ったような巨大な存在はヒントとして現れるだけで、プレイヤーはこれらのヒントを言い伝えのような形で見つけ、つなぎ合わせていきます。私はこのようなストーリーテリングがとても面白いと思い、本作でも同じ方法で世界の物語を描いています。信仰を支えるため、なぜ他の文化における伝説を変えるのかを考えたり、古代遺跡の構造から誰が建てたものなのか考えたりするのは、面白いのではないでしょうか。――本作の日本語対応予定はありますか?Mraz氏まだ誰にも言っていないのですが、今日本語ローカライズ作業を行っています!Steamページではたくさんの人から日本語のサポートの声をいただいていますので、もうすぐお届けできることにとてもワクワクしています。――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?Mraz氏本作の開発において他の人と作業をすることはあまりなかったので、開発への影響はあまりありませんでした。オフィスで他の人と働くことはなく、仕事の後や週末に自宅から作業をしていたのです。何か影響があったとすれば、友達と会えず、ゲーム開発の時間が増えたという点でしょうか。また、パンデミック中、本作の開発の休憩として、『Yarntown』と『Hallow's Eve』という2つのサイドプロジェクトゲームの開発もできました。――本作の配信や収益化はしても大丈夫でしょうか?Mraz氏個人的には問題ありません。私が作ったゲームを他の人がプレイしている姿を見るのは楽しいですし、どんな部分が楽しく、逆にどんな部分がつまらない/イライラするかという情報を知る良い方法だと思います。今後作るゲームの参考にさせていただきます。――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。Mraz氏私が作ったゲームを世界中の人がプレイしてくれるというのは、とてもクールなことだと思います。私自身もこのゲームをプレイするのが好きですので、私たちはみんな、探索をし、世界の謎を解き明かし、困っている人を助けたいという心を共有しているのでしょう。または、最強の剣を手に入れたい、ということかもしれません。本作をプレイする理由はたくさんあると思います。(笑)何はともあれ、このインタビューを読んでいただきありがとうございます。本作をプレイし、探索と発見の楽しみを味わっていただけると嬉しいです。――ありがとうございました。◆「注目インディーミニ問答」について本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に300を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。