本稿では2021年6月29日に、Breda University of Applied SciencesよりSteamにて早期アクセスを終了して正式リリースされた『Arid』について生の内容をお届けします。

『Arid』とは
『Arid』はオランダの職業大学・NHTV国際高等職業教育機関ブレダ校の学生プロジェクトにより開発されたサバイバルアドベンチャーです。価格は無料となっています。


1930年代、飛行機事故で南米・チリのアタカマ砂漠に不時着したパイロットが、広大にして世界でもっとも荒涼とした砂漠を生き延びていきます。題名の"arid"は「乾燥した、荒れた」といった、要するに砂漠っぽい気候を表す英語。戦闘要素はなく、プレイヤーの敵となるのは過酷な気温や環境で、限られた資源を集め、難民の残した設備を利用しながら、荒れ果てた砂漠を探索して脱出方法を探します。

砂漠のど真ん中に飛行機が墜落!
ゲームを開始すると、まずは黒画面に次々CI(コーポレート・アイデンティティ)が表示されるプロローグに入ります。映像はないのですが、音声による飛行中のパイロット同士の通信でストーリーが進行して、ちょっと映画っぽくてワクワクしますね。



時は1931年5月15日、アタカマ砂漠の8,000フィート(約2,400メートル)上空。


女性パイロットの肉声で、おそらく編隊飛行している僚機であろう、コールサインBubbaに話しかけています。Bubbaの声は男性で、無線を介しているらしくノイズが混じります。女性パイロット(プレイヤー)のコールサインはTiger。日本語化はされていないので通信は英語です。幸い字幕はついているので、軽く訳してみます。

「Bubba、こちらTiger。聞こえますか?」
「無駄話している場合じゃないぞ、Tiger。どうぞ」
「頭上に嵐が見えるわ。天気予報ではそんなこと言ってなかったけど。西へ向かった方がいいと思うの。海岸線に沿ってアタカマ砂漠を迂回するべきよ。どうぞ」
「見えない荒天があって、俺たちはその周りを飛んでいるわけか。会社は東側を通れと言ってるぞ。どうぞ」
「あなたと話しているのよ、Bubba。とても悪い予感がするの。私――」
(機体が激しく揺れる音)
「ちょっと、何これ? ひどい砂嵐、一体どこから来たの!」
(警告音)
「Tiger、機首を引き起こして離脱しろ! エンジンが砂でイカレるぞ!」
(騒音)
「無理よ、失速してるの! 操縦不能……不時着しないと! Bubba、父さんに伝えて……」
こんな感じの導入部が流れて、プレイヤーはアタカマ砂漠の真ん中で墜落してしまいます。


ゲームはどうにか無事に不時着して機外に出たところから始まります。一人称視点で、HUDには自分の状態や持ち物が表示され、ヒントも出ています。まずは、怪我をしているので飛行機の物資から包帯を探せとのこと。目の前に落ちているアレですね。


取りに向かうと、たどりつく前にヒントが出ます。ゲージの見方を説明するもののようです。ハートマークのゲージが健康状態でゼロになると死亡。食事アイコンの栄養状態と、水滴アイコンの水分がなくなると健康ゲージが減っていくようです。つまり、常に食料と水を確保しておけってことですね。



袋を開けると予想通り包帯があったので早速使って治療します。ハートゲージを見たら何気に死にそうになってましたが、半分弱まで回復しました。



他にも機外へ飛び出した木箱やランタンが落ちています。木箱からは食料を回収、ランタンは調べると油を補充できました。


少し進むと洞窟がありました。中に入ると真っ暗なので、最初から持っていた松明に火を付けます。松明は使うと徐々にゲージが減り、最後には消えてしまうようです。油を持っていればゲージを回復できます。なぜ素直にランタンを持たせてくれなかったのか。


洞窟の中で湧き水を見つけたので、水筒の中身を飲み干し、きれいな水を汲んでおきます。


さらに進むとミイラ化した遺体が!


けど、遠慮なく骨を取って資源にしてしまいます。タフじゃなければ砂漠では生き延びられませんからね!


さらに進むと出口が見えてきました。


洞窟を出ると墜落した飛行機に戻ってきました。どうやら、機体の左舷側からくるっと回って右舷側に出てきたようです。左舷よりも広くて歩きやすいので、散らばった物資の残りを回収するチャンスです。



たっぷり物資を拾ったら、来たのとは別の洞窟へ向かい、入り口を塞いでいる岩を拾った道具で破壊。第二の洞窟を通り抜けます。



洞窟を通り過ぎると、廃墟を見つけました。今は無人になっていますが、この砂漠にも文明の痕跡があるようです。

廃墟を拠点に道具や物資を準備

廃墟の建物に入るとチュートリアルが表示され、難民がマップ中に避難所を残していることが説明されます。避難所にはさまざまな設備が併設されていて、利用することができます。



ベッドで睡眠を取ると満腹度と水分を消費しますが、精力を回復できます。精力は行動して疲労すると減るゲージで、無くなると休むまでまともに仕事ができなくなります。


廃墟には水の濾過装置も設置されていました。砂漠で一番心配な水分補給の問題もこれでかなり緩和しそうです。



肝心の濾過する水ですが、廃棄された容器に泥水が溜まっていたり、泥山を掘り返した穴に染み出てくる水を利用できるようです。泥山を掘ると粘土なども手に入ります。太陽光をずっと浴び続けていると画面上部のSun Exposureが上がって、最終的には日焼けから来る火傷でダメージを受けるのですが、粘土を塗っておくことでゲージの上昇を抑えることができます。



また、濾過装置の近くには壊れた小動物用の罠がありました。幸い、ここまでで手当たり次第拾ってきた資材で修理できるようなので早速修理しておきます。罠は修理して使えるようになると、餌を置いておくことで小動物を捕獲できます。


罠の餌は、そこらに生えている草を摘むことで手に入る植物の種を使えました。この雑草は繊維としてクラフト素材にもなり、また焚き火の燃料にも使えるので、積極的に摘んでおきましょう。


罠に餌を仕掛けてしばらくすると、小動物がかかります。近くにいると音がするのでかかったことがわかりますし、遠出から戻ったときに確認しても成果を得られます。かかる小動物には何種類かいるのですが、特にビスカッチャ(アンデスに住むネズミの仲間)が重要で、獣脂を採取したり、皮を素材にしたり、皮から接着剤(たぶん膠)を得たりと多方面に利用します。もちろん肉も食べられます。



肉は焚き火で調理するのですが、焚き火も最初は壊れているので、資材を集めてきて修理しなければなりません。修理が済むと、草や木材系の資源、油を燃やして、肉や種を調理できます。生のまま食べると食中毒にかかるリスクがあるようです。



そして、拠点で何より重要なのが作業台です。作業台は修理する必要はなく、インタラクトすればすぐ使用できます。必要な材料を持っていれば、ナイフや斧、シャベル、つるはしといった道具を作ったり、ロープや布などのさまざまな中間素材を加工できます。

道具を作ることで採取できる資源も増え、罠と濾過装置で食料と水を確保しながら、廃墟の周囲を探索して、少しずつ遠出の準備を進めます。


そうこうしていると、主人公が突然、Bubbaを見かけたかのような発言をします。どこか画面内に表示された瞬間があったのでしょう。どうやらBubba機も近くに不時着したようです。この先は、Bubbaを探して合流することが目的になります。



崖の先端にあったこの岩は、クラフトしたロープと拾ったフックを使って修理できました。Bubbaを探して先のエリアへ進みましょう。

キリがいいので、今回はここまで。作業台を見つけて以降はクラフトでやることが一気に増え、資源を探索したり、作る物の計画を立てたりと充実し始めます。食料や水など物資の余裕はあまり多くはないもののやりくりすればどうにかなるバランスで、なかなか上手く調整されている印象でした。価格も無料なので、サバイバル系が好きな人ならうかつに手を出しても損はないでしょう。

タイトル:Arid
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2021年6月29日
記事執筆時の著者プレイ時間:2.5時間
価格:無料