『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』は凝った台詞回しが魅力の1つ。そこで、印象的な名台詞が英語版でどうなっているのか、メインシナリオそれぞれを3回に分けて取り上げます。今回は3本の中でも重い展開が続く「エスカデ編」。物語の難解さは今でも語り草ですが、改めて読むと非常に考えさせられる内容です。

練習問題の解答
『聖剣伝説 レジェンド オブ マナ』複雑なときは基本の文法に立ち返ろう―簡単なようで難しい賢人の言葉【ゲームで英語漬け#66】
問:
Daena: Gaia the Earth, do you know why this world exists?
Gaia: Perhaps it is so you may think about exactly what you have just asked me.

解答例:
ダナエ:大地のガイアよ、世界が何故存在するのかおわかりになりますか?
ガイア:それは、まさにあなたが訊ねたその問いを考えるためではないだろうか。
うごめく森 The Murmuring Forest

Faery:Mans hupid stuth wipany comep keot don...
妖精:イナシ ニテイア ハンゲ ンニナ ホア カバリ キルマ…

妖精が使う呪文はある文章を反転させたもので、ジャングルでは「まるきりばかあほなにんげんはあいてにしない」となります。これが英語になると少し変形して、単語の後半部分を一つ前の単語と置き換える法則が加わります。最初の“Mans hupid stuth”だと、「Hu」「mans」、「stu」「pid」、「wi」「th」と元に戻し、それを逆順に読みます。すると全体では“Do not keep company with stupid humans”という文に解読できるのです。この法則は別の場面でも出てきます。

二つの炎 Two Torches

Escad:I learned the way of the sword from Olbohn. It’s his will as a Wisdom to kill that demon.
Matilda:I’m overjoyed to know both of you are alive. Can’t we put the past behind us now?
エスカデ:俺はオールボンから剣を教わった。悪魔を倒すのは賢人の意思だ。マチルダ:私、二人が生きていると知って、とてもうれしいの。過ぎたことはもうよしましょう?

Matilda:I never wanted to give up my freedom to become a priestess. Irwin wanted to free from a life bound by rules.
Escad:You never took me seriously, not even when we were children.
マチルダ:私、司祭になるために自由を諦めるなんてしたくなかった…アーウィンは規律に縛られた生き方から解放したかったの。エスカデ:君は昔から俺の話には耳をかさなかった。子どもの頃もそうだったな。

Overjoy:大喜び
Put the past behind us:水に流す、過去を忘れる
Priestess:司祭
Bound:縛られる、拘束される

マチルダ、アーウィン、ダナエ、エスカデ、幼馴染み4人の関係が示されるクエストです。しかし一度入った亀裂は修復できないようで、マチルダが使った「Never」に対してエスカデも「Never」で返しています。話し合う余地は最早無いというような、平行線の関係をこれで表していますね。

流れゆく者たち In Search of Faeries

Irwin:Give Matilda a message for me. Tell her that when everything comes to an end, she’ll see that it was all a dream.
アーウィン:マチルダに伝えろ。全てが終わりを迎える時、全て夢だったとわかる。


Matilda:...I used to see Faeries very often myself. But Escad could not. He used to make a face when I was speaking with them.
マチルダ:私も以前は妖精をよく見ていました。エスカデには妖精が見えなくて、私が妖精と話してると、彼はけげんな顔をしてたわ。

Matilda:I know. My selfishness has caused chaos. I...I loved Irwin.
Selva:Matilda, you’re allowed to love anyone you want. People are light, but they fear the shadows they cast. But these shadows don’t exist. You understand, don’t you?
マチルダ:確かに、私の身勝手が世を乱しました。アーウィンを…愛していました。セルヴァ:マチルダ、君は誰を愛してもいい。人はみな光さ。しかしその後ろに影ができることを恐れている。だけど影なんてどこにもない。この意味がわかるだろう?

Selfishness:わがまま、自己中心的
Make a face:嫌な顔をする、しかめっ面

セルヴァとマチルダの会話はオープニングの言葉を彷彿とさせます。賢人の言葉は社会や常識に囚われない見方を示しますが、不条理な今の世界が終わるのを止めようとしていないようにも思えます。

ポキール、夢への誘い Pokiehl: Dream Teller

Escad:...his thoughts, his actions, everything about him is demonic!
エスカデ:考え方も、行動も、何もかも悪魔そのものだ。


Matilda:I won’t become a priestess...because priestesses aren’t allowed to be friends with demons.
Irwin:You have to live! But if you hate this world so much, I’ll destroy it for you!
マチルダ:私、司祭になんてならない。だって司祭は悪魔と友達でいたらいけないんだもの。アーウィン:生きるんだ!そんなに嫌な世界なら、いずれオレが滅ぼしてやる!

エスカデが奈落に落ちるきっかけとなった10年前の出来事。このときのマチルダは“I won't become a priestess”とはっきり言っています。後の「I never wanted 〜~」はずいぶん遠回しで、このときの意思の固さが見て取れます。エスカデの憎しみよりも、マチルダの言葉の方が、アーウィンの行動に影響を与えたようです。

彷徨の回廊 Star-Crossed Lovers

Irwin:Matilda... You are a part of this world, are you not? But were you born simply to tread the path that others have made for you?
Matilda:But we don’t always have a choice. The only choice I have is...to be free.
アーウィン:マチルダ、君もこの世界の一部じゃないのか?誰かが定めた道の上を歩むためだけに生まれたのか?マチルダ:でもいつも選択が常にあるわけではないんです。私にある唯一の選択は…自由を求めるだけ。


Escad:You are nothing but a demon, Daena! Just like him!
Daena:Don’be such a fool! Demon, Faeries, or Human, what does it matter!?
エスカデ:ダナエ、お前もあいつと同じ悪魔に成り下がったか!ダナエ:ふざけないで!悪魔、妖精、人間、それがなんだというの!


Daena:...My happiness comes from making others happy. Is that so wrong?
Matilda:But if we both thought like that, neither of us would ever be happy.
ダナエ:私の幸せは皆が幸せになること。それはいけない考え方?マチルダ:それで私があなたと同じように考えたら、二人はいつまでも不幸なままよ。

Tread:歩いて行く

マチルダの「Freedom」とは、それぞれの意思のままに行動すること。そしてその結果争いが生まれることも厭わない。折り合いを付けたいダナエとは真逆の極端な面が明らかに。この場面でダナエが死んだ場合も、エスカデに「それも自由」と言います。

上天の光 Heaven's Gate

Matilda:The imperial soldiers simply fight because their emperor tells them. The pirates steal because they desire what belongs to others. Who is most sinful?
Daena:They’re both stupid.
Matilda:Neither one is sinful. It was the Goddess who gave us freedom. To deny others their freedom is the true sin.
Daena:Then I’ll kill him! I take it you’d be with that!
Matilda:Now you're understanding.
マチルダ:帝国兵達がひたすら戦うのは、不死皇帝の命令だから。海賊達が奪うのは、他人のものを我が物にしたいから。どちらの方が罪深いと思う?ダナエ:どっちもバカげてる。マチルダ:どちらでも罪ではないわ。それが私たちに女神が与え賜うた自由なの。他者が彼らの自由を否定することこそ真の罪よ。ダナエ:だったら私が彼を殺すわ!あなたがそういうならね!マチルダ:やっとわかってくれましたね。


Irwin:...I need to free myself from a spell named Matilda.
Matilda:Your soul can make anything you wish come true. I’m here not only because I wished for it, but because you did too.
 This unfair world you sought to destroy is about to end. Our souls are the architects of it all.
アーウィン:今はただ、マチルダという名の呪縛から逃れたい。マチルダ:魂はあなたの望んだこと全てを実現できます。私が今ここにいるのは、私の意思だけでなく、あなたもそれを望んでいるから。 あなたが壊そうとしたこの不条理な世界はもうすぐ終わりを迎えます。私たちの魂がその全ての創造主なのです。

Sin:道義上の罪
Architect:創造主

「自由」に当たる英語は「Freedom」と「Liberty」があります。この2つは「社会の枠」の中か外かで使い分けられているようで、「Liberty」は法律で保障された権利の自由、「Freedom」は社会などに自分の意思を邪魔されない自由を指します。マチルダの望む自由とは究極の「Freedom」であり、それが衝突することもマナの女神の創造によるものと彼女は考えています。アーウィンの言う“A spell named Matilda”とはマチルダの願いで、本当は彼女に止めて欲しかったように思えます。

練習問題:次の台詞を訳しなさい。

Daena:I still want to be like your little sister, Matilda...
司祭の生き方を拒絶するため死を甘んじて受け入れるマチルダに、生きていて欲しいとダナエは懇願します。普段気を張っている彼女が本音を吐露する数少ない場面ですね。