気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Phigames開発、PC/海外PS5/XSX向けに8月19日にリリースされた電脳空間アクションアドベンチャー『Recompile』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、電脳空間を舞台としたメトロイドヴァニア風のハッキングアクションアドベンチャー。激しい戦闘や環境ハッキング、分岐していくストーリーなどを特徴としており、プレイヤーは知性を持ったAIプログラムとして、電脳空間を探索します。記事執筆時点では日本語未対応。

『Recompile』は、2,050円(Microsoft Storeでは2,900円)で配信中(Steam)。


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Phi Dinh氏(以下Phi)こんにちは。Phigamesの共同設立者であるPhi Dinhです。メトロイドヴァニアにインスパイアされたハッキングアドベンチャーゲームである本作のリード・プログラマーとゲームデザイナーを担当しました!私たちは時々晴れ、ほぼほぼ雨の街、イギリス・マンチェスターを拠点としています。

本作をGame*Spark読者の皆様にご紹介することができて嬉しく思います。ビジュアル的にもワクワクし、没入感もありますので、同ジャンルの中でもユニークな一本だと思っていただけると嬉しいです。私たちはインディーゲームパブリッシャーであるDear Villagersと協力し、彼らのおかげで、本プロジェクトを一つ上のレベルに引き上げることができました。そうして、PC/(海外)PS5/XSXで素晴らしいリリースをすることが出来たのです。

私の一番好きなPCゲームはおそらく『The Elder Scrolls V: Skyrim』です。時にはバグだらけでメチャクチャだったりしますが、オープンワールドにおける冒険やそこにいるという感覚は、他のどのゲームとも比較ができないほどだと個人的には思っています。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Phi私は子供の頃からコンピュータの中を舞台としたゲームを作りたいと思っていました。バーチャルワールドを冒険するというのはどんな感じか、いつも頭の中で想像していたのです。大学でコンピュータサイエンスを学び卒業した後、私はAIにとても興味を持ち始めました。そのため、私はコンピュータプログラムという視点から、人工知能の影響について描くゲームを作ろうと決意したのです。

本作において、プレイヤーは感覚を持ったウイルスです。そしてプレイヤーの起こすアクションがストーリーに影響を与え、究極的にはプレイヤーが作り出すAIがどんなものになるのか決定します。つまり、本作は私自身がとても興味を持っている多くのものを融合させているのです。人工知能からバーチャルワールド、オープンワールドゲーム、そしてメトロイドヴァニアまでですね。元々本作はあくまで自分の興味があるもののプロジェクトとして始まったものが、次第に進化し、野心的なゲームへと成長し、他のプログラマーやアーティストたちを巻き込んで一緒に開発を行うようになっていきました。

――本作の特徴を教えてください。

Phiダブルジャンプやダッシュと言ったメトロイドヴァニアスタイルの伝統的な移動アビリティに加え、本作ではユニークなロジックを使ったハッキングシステムが登場します。

ロックのかかったドアから敵が出てくる機械、そしてパズルまで、周りにあるすべてのものが倫理ゲート回路によって作動しています。現実世界の電気回路と同じですね。ハッキングすることで、これらの倫理ゲート回路を操作し、操ることが出来、回路の動きを変化させることで環境を変化させることとなるのです。

敵をハッキングすることも可能で、敵同士で戦わせるなんてこともできます。こういったハッキング要素こそ、本作一番の特徴だと思っています。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Phi私たちは高難度のメトロイドヴァニアやソウルライクゲームの大ファンです。そのため、これらのジャンルが好きな人であれば、本作も同じように楽しめるのではないでしょうか。また、本作のストーリーは斬新なSFものですので、こういったフィクションが好きな人であれば、本作の世界がどのように出来ているのかを知る、という楽しみ方もできるでしょう。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Phi人類に対するAI、というのは「トロン」「マトリックス」「ターミネーター」「ブレードランナー」と言った数多くの映画や、イアン・バンクスの「カルチャー」シリーズのような本で描かれています。ありがちな設定だと、技術的特異点の後にAIが人類に宣戦布告し、人間を絶滅させようとします。しかし多くの物語ではそれと同時に、人間とAIが平和的に共存できるという関係性も描かれています。

本作では、これらすべての可能性を描こうと試みました。そのため、プレイヤーのアクションによるマルチエンディングを採用しているのです。

――本作の日本語対応予定はありますか?

Phi現時点ですぐに日本語に対応させる予定はありません。しかし有志翻訳は大歓迎です。ご興味がある方は、ぜひパブリッシングパートナーのDear Villagersまでメールでご連絡ください。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Phi新型コロナはゲーム産業に様々な面で影響を与えています。もちろん悪い意味でですが、いくらか良い面もあるようです。開発チームとしては世界中のリアルなイベントに参加することができませんでした。東京ゲームショウ2020に参加できていたとしたら、どんなに素晴らしい体験になっただろうかと思わずにいられません。しかしリアルなイベントに参加できなかった分、本作のコンテンツ開発に費やす時間やお金は増えましたし、開発から離れてしまうような機会も減ったので、これは良かったと思っています。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Phiどんなプラットフォームで配信していただいても、収益化していただいても大丈夫です。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Phiわざわざ時間を取り、私たちのゲームに目を向けて頂きありがとうございます。本作は『メトロイド』『悪魔城ドラキュラ』『ゼルダの伝説』などと言った、昔のたくさんの日本のゲームから影響を受けています。ですので、これらのゲームの歩んだ道のその先をこうして歩むことができ、とても光栄に思っています。私たちが何年にもわたって本作の開発を楽しんできたように、皆さんにも本作をプレイし、楽しんでもらえると嬉しいです。そして本作の物語の中で、何かしら感じることや、じっくりと考えてしまうようなものを見つけてもらえると嬉しいです。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。