「arpara VR オールインワン 5K」(以下「arpara AIO 5K」)は、小型軽量かつ高画質なVRヘッドセット。ゲーミングPCと接続することで、SteamのVRゲームを楽しめます。このarpara AIO 5Kを実際にゲームを体験する機会があったので、本稿ではその手触りなどについてご紹介します。

マイクロOLED+パンケーキで小型軽量&高画質
現在、VRヘッドセット市場は、「Meta Quest2」が性能と価格のバランスのとれたコストパフォーマンスの良さで牽引し、ホビー向けのハイエンドや業務用では「HTC VIVE Pro2」が定番となっています。

中国のARPARA TECHNOLOGY CO., LTD(以下「ARPAR社」)は、この市場に「小型軽量」と「高画質」という相反する条件を両立することで切り込もうとしています。それが今回ご紹介するarpara AIO 5Kです。

ARPAR社製品のアドバンテージは、光学系にマイクロOLED(マイクロ有機ELディスプレイ)とパンケーキレンズを採用したことです。現状のVRヘッドセットは実用レベルには達してはいますが、まだ発展途上の製品分野であり、その主な課題は画質・サイズ・重要・の3点。VRの没入感を高めるには高画質で広視野角なことが求められますが、それを満たそうするとディスプレイとレンズが大型化して重量も重くなるというトレードオフの関係があります。

ですが同社は、1.03インチのマイクロOLEDと単焦点のパンケーキレンズを組み合わせることで、この問題を解決。OLEDは応答速度、輝度などコントラスト、解像度、画質の点で有利で、同じ解像度でもLCD(液晶ディスプレイ)よりも画質で上回っている、と担当者は説明しました。

今回採用したマイクロOLEDは3514PPI(1インチ=2.54センチ内に5314画素)の高解像度なもので、これによって、他社がヘッドセットが4Kなのに対して5Kを実現しています。

Meta Quest2やそのライバルである中国系の「Pico Neo3」がフレネルレンズを採用しているのに対し、ARPARA社が採用したパンケーキレンズは、ディストーション(歪み)問題が極めて少なく画像性能に優れ、さらに視度調整が可能なためメガネとの併用もしやすいといいます。

一般にパンケーキレンズには視野角が狭く光損失が大きいという弱点があるが、arpara AIO 5Kでは95度の視野角と32PPD(角解像度=角度あたり画素密度)を実現。その上で、Quest2の503gに対して380gと軽量化し、ゴーグル部の厚みも半分以下です。

SoCはQuest2などと同じSnapdragon XR2で、10m四方の空間内でミリ単位のトラッキングが可能とのこと。ハンドコントローラーは自社開発で、低遅延と内蔵振動モーターが特徴のようです(Qust2などもコントローラーに振動モーターは内蔵しています)。

没入感は高く、軽量なのでアクションにも
今回の体験では、ゲーミングPCに有線で接続して、SteamのVRゲーム『Beat Saber』『VR SUPER SPORTS』のアーチェリー、『Half-Life Alyx』の3つをプレイしました。

『Beat Saber』と『VR SUPER SPORTS』は基本的にMeta Quest2とほぼ変わらない感覚でしたが、ヘッドセットが軽くコンパクトなので、長時間プレイする場合は有利でしょう。

筆者は最近、VRSNSとして人気の「VRChat」内で対人でボクシングを行う「VRCボクシング」を始めましたが、Quest2だとヘッドセットの重さと大きさによる慣性が、スウェーバックなどで避けるときに負担に。お金に余裕があったらVRCボクシング用にarpara AIO 5Kが欲しいと、ちょっと思いました。

『Half-Life Alyx』はSteamを運営するValveによるVRアドベンチャーゲームで、FPSの要素もあるタイトル。序盤部分は薄暗い場所の描写が多いが、濃淡がはっきりと認識できたうえ、ヘッドセットの軽さもあって没入感は良好でした。

Quest2やPico Neo3と同様に、VRを使用していないときはトラッキング用のカメラを使って、外部の映像がモノクロでスルー表示され、PCとの接続は専用のソフトをPCにインストールします。使い勝手はMeta Quest2の「Oculus Link」に近く、Wi-Fi6に対応しており5GHzのWi-Fi接続も可能とのことです。

Meta Quest2の標準ストラップは大きな本体を支えるには頼りないゴムバンドですが、arpara AIO 5Kのストラップはプラスティック製でダイヤルでサイズを調整できます。380gの本体を支えるには十分なものだと感じました。

またQuest2と同様に本体に128GBのストレージも内蔵。Steamだけでなく、専用のARPALANDというメタバース環境を開発中で、サービスが開始されればゲーミングPCとSteamを使わず、スタンドアロンでVRゲームなどが楽しめるようです。

Quest2の3倍の価値はあるか?
arpara AIO 5Kは、2022年7月31日24時までCAMPFIREで割引価格で購入できます。本体+コントローラー×2+USB-Cケーブル+充電器+収納バッグで予定価格131,880円のところ、10万円弱〜12万円で購入が可能です(コースによって変動)。

Meta Qesut2の37,180円+専用収納ケース6,710円=43,890円に比べると3倍程度のお値段ですが、高価なマイクロOLED+パンケーキレンズを使った軽量コンパクトさのメリットをどう考えるかでしょう。

7月25日朝時点ではまだ10万円以下の枠が少し残っているので、興味のある方は早めのチェックをお勧めします。

CAMPFIRE URL
https://camp-fire.jp/projects/view/580504

arpara AIO 5K スペック
Soc:Snapdragon XR2
表示系:1.03インチマイクロ-OLED+パンケーキレンズ
 表示解像度:5K、95度の視野角、3,514 PPI、リフレッシュレート90 Hz、色域sRGB 127%、DCI-P3 90%
無線系:Wi-Fi 6、Bluetooth 5.1+BLE対応
内蔵ストレージ;128GB
接続ポート:USB 3.2 Type-C ×1
バッテリー容量:6500 mAh
デュアルチャンネルデジタルオーディオスピーカー
重量:380g