ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、Insomniac Gamesが手がけるアクションゲーム『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』のPC版を2022年11月19日に配信開始しました。

本作は、2018年に発売されたPS4向けソフト『Marvel's Spider-Man』の続編作品。前作の大事件の後に新たなスパイダーマンとなった“マイルズ・モラレス”が、ニューヨークを舞台にさまざまな犯罪や陰謀に立ち向かう作品です。

オリジナル版は2020年にPS5/PS4向けに発売。PC版への移植はNixxes Softwareが協力開発を行い、グラフィックの最適化やレイトレーシングリフレクション、ウルトラワイドディスプレイへ対応。また、PS5用コントローラー「DualSense」にも対応し、臨場感のあるプレイが可能です。

本稿では、PC版『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』のプレイレポートをお届け。前作『Marvel's Spider-Man』の魅力を引き継ぎ、よりダイナミックになった本作の楽しさをお届けしていきます。

続編は新人スパイダーマンの物語!
本作の主人公マイルズは、ニューヨークの高校に通う17歳の青年。前作『Marvel's Spider-Man』でもストーリーの重要な役割な役割を果たしたマイルズは、スーパーパワーを得たことで、初代スパイダーマン“ピーター・パーカー”の指導のもとで新人スパイダーマンとして活動しています。なお、本作は完全な続編ストーリーですが、冒頭で振り返りムービーを見ることもできます。

前作の主人公ピーターは『Marvel's Spider-Man』スタート時にすでに8年間のヒーロー活動実績があり、最初からある程度の人脈や経験を持っている状態でした。本作のモラレスは新人のため、人間とヒーローそれぞれの「成長の物語」が描かれるのが大きな違いです。

ゲーム内での最初のミッションは前作の物語で脱走した多くの囚人を再び刑務所へ送り届ける警察を見届けること。もちろん護衛が穏やかに終わるはずもなくトラブルが発生、多くの囚人とヴィラン“ライノ”が脱走してしまいます。ここで戦闘のチュートリアルが始まります。

任務終了後、マイルズはピーターから恋人“MJ”との仕事で海外へと出張することになり、しばらく街を離れることを告げられます。ピーターからちょっとしたプレゼントと「ヒーローの誓い」を与えられ、マイルズは戸惑いながらもニューヨークでただひとりのスパイダーマンとして活動することになるのです。

続編作品ということもあり、非常に丁寧な導入部が好印象です。もちろん、前作同様にキャラクター同士の掛け合いなど、随所に「スパイダーマン」らしさを感じられます。

冬のニューヨークを駆け巡れ!
本作はホリデーシーズンのニューヨークが舞台。そのため、街にはクリスマスデコレーションが飾られていたり雪が降ったりと、季節感を感じさせる演出が用意されています。マイルズは、人々がさまざまな想いを馳せるこの時期の街を護るため、ニューヨークの街中を駆け巡ります。

何と言っても本作の醍醐味は、ウェブシューターを使用した簡単で爽快な移動アクション。基本の移動スキル「ウェブ・スイング」は、ボタンを押しながら飛ぶだけで、建物や木々にウェブを発射して高速移動を可能にします。また、狙った建物に飛び移る「ポイント・ジップ」も非常に便利です。

もちろん、スパイダーマンらしさを象徴するような「壁への張り付き」や「天井にぶら下がる」などの動作も行なえます。移動に関しては、ほとんど難しい操作なしでスパイダーマンらしさ満点のスピード感のあるダイナミックアクションが楽しめるのが最高です。

広いニューヨークの街中に散らばっているミッションやトラブル、コレクションアイテムを見つける移動要素で、一切のストレスを感じない「最高のアクション」を楽しめるのは本作の大きな魅力のひとつ。移動のスパイダーマンらしさだけでもシリーズを遊ぶ価値があると思います。

また、もし可能であればPCでも「DualSense」を使用するのがおすすめ。移動や戦闘、カットシーンでの背景の車の通過など、さまざまな場面で振動がより深い臨場感を与えてくれます。

マイルズならではの能力で新たな戦闘!
戦闘では、強烈な格闘攻撃とウェブを使ったさまざまなアクションを組み合わせてダイナミックなアクションが繰り出せます。ウェブで敵を引き寄せて攻撃したり、相手を拘束したり、敵の持つ武器を奪って投げつけたりと、状況に応じた戦い方が可能です。敵の攻撃は「スパイダーセンス」で察知できるため、適切に回避することも重要です。

また、マイルズは前作のピーターと異なる2つの特殊能力を持っています。ひとつは生体電気を使用する「ヴェノム・スキル」で、敵のガードを崩したり、まとめて相手を感電状態にすることが可能です。このスキルは戦闘以外でもさまざまなギミックに使用する、本作の最重要スキルとも言える存在です。

もうひとつの能力は「カモフラージュ」です。これはその名の通りマイルズが透明状態になるもの。戦闘でステルス状態からの奇襲をすることはもちろん、敵に見つかった状態で姿を消すことでこちらを見失った状態にすることもできます。使用にはクールダウンもありますが、とても強力なスキルです。

また、一緒に戦ってくれるホログラムを出したり、感電する地雷などのガジェットも使用可能。ちなみにガジェットは前作よりも種類が減っていますが、代わりにマイルズならではの特殊能力があるため、前作ともまた異なるバラエティに富んだ戦闘スタイルが楽しめます。スキルを強化することで新たな技も覚えられますよ。

ステルスアクションで相手を無力化できる本作では、カモフラージュはとても心強い存在です。とは言え、敵も強力な装備を揃えているので決して油断せずに戦わなければなりません。

「新人スパイダーマン」としての物語も必見!
主人公のマイルズは17歳の高校生。ヒーローとしても新人で、過去の悲しい事件を乗り越えようとしながら賢明にスパイダーマン活動をしています。そんなマイルズは明るくユニークな性格をしているものの、悩み、そして自分なりの結論を出しながら少しずつ成長していきます。

父を亡くしつつも賢明に子育てや活動に励む母や、親友としてサポートを行う“ガンケ”、幼馴染で久しぶりに再会した“フィン”など、マイルズを取り巻くキャラクターたちとの関係や秘密なども物語を彩ります。本作の重要な役割を担うニューエネルギー企業「ロクソン」の“サイモン・クリーガー”など、個性的な登場人物も満載です。

本シリーズは軽妙なキャラクター同士のやりとりも大きな魅力。カットシーンはもちろん、ちょっとした場面での何気ない会話や、一般市民がスパイダーマンを見ると声をかけてくるなど、ニューヨークの街全体が生きているような雰囲気を感じられます。

その象徴とも言えるのが、ガンケの作ったアプリ「親愛なる隣人スパイダーマン」です。このアプリは人々がニューヨークで起きている事件をスパイダーマンに共有するもので、ゲーム内ではサイドミッション受注に使用します。アプリでのチャットツール風のやりとりもユニークで、スパイダーマンとニューヨーク市民の関係を感じさせます。

「親愛なる隣人スパイダーマン」は、サイドミッションを遊びやすくする、ゲームとしてのスマートな要素だけでなく、作品全体の雰囲気をユーザーに伝えやすくなる素晴らしいアイテムです。

もちろん、スパイダーマンを嫌う“JJJ”のラジオも前回同様に健在。さらに、今作では新たにスパイダーマンを推してくれる“ダニカ・ハート”のポッドキャストも用意されています。なお、こちらの配信は定期的にゲーム内で流れますが、いつでもオプションで消せるので安心してください。


ここまで紹介してきた『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』PC版。高評価の前作の時点で高レベルで完成している戦闘や移動のシステムをベースに、新たな主人公だからこそ可能にした新要素をくわえ、より遊びやすく、よりダイナミックなゲームに仕上がっています。PC版でより美麗になったグラフィックも魅力満点です。

本作を遊んで感じてもらいたいのは、ニューヨークの町中をウェブで自由に飛び回る感覚。魅力的なBGMを背景に高速で移動し、困ってる人や鳩を助けたり、街で悪事を働く連中と戦う、スパイダーマンとしての活動をストレス無しで楽しめます。上でも述べていますが、ぜひとも「DualSense」で振動による臨場感も感じて欲しいですね。

なお、体感として前作よりゲーム全体の探索・コレクション要素は減っています。しかし、これは逆に初期状態からほぼすべてのエリアを探索しやすくなっているゲームデザインにも繋がり、プレイして気になる事はありませんでした。

ちなみに本作は前作の完全な続編であるため、先にそちらをプレイしているとより物語を楽しめると思います(もちろん振り返り機能もあるので本作から始めても問題はありません)。ゲームとしての面白さはもちろん、魅力的な登場人物が織りなすストーリーも本作の素晴らしい魅力です。次々起こる問題に悩み、乗り越えようとしていくマイルズの姿は、きっとプレイヤー全員が好きになっていくと思います。

『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』PC版はSteam/Epic Gamesストアにて税込4,900円で配信中。また、Insomniac Gamesが手がけるさらなるシリーズ新作も開発中ということで、今後の展開にも期待もできそうです。