「すべて吹き飛ばせた感じ」。5年ぶりの復活優勝を遂げた女子プロゴルファー渡邉彩香(26)が画面越しに吐露した言葉に、元サッカー日本代表の澤登正朗氏(50)はうなずいた。

3日深夜の静岡朝日テレビ「スポーツパラダイス」でリモート対談した2人に共通するのは、静岡県出身というだけにとどまらない。一発に泣く――。スポーツ選手として、筆舌に尽くしがたい経験をしている。

112年ぶりにゴルフ競技が復活した2016年のリオデジャネイロ五輪。渡邉は日本代表を目指していたが、その座が決まる「全米女子オープン」最終日の最終ホールでグリーンを狙ったショットを池に落とし、涙を流した。

澤登氏が唇をかんだのは、言わずと知れた1993年の「ドーハの悲劇」。後半ロスタイムにイラクチームに同点ゴールを決められ、日本代表は初めてのワールドカップ出場を逃した。

ちなみに渡邉が生まれたのは、この試合の39日前の1993年9月19日だ。

苦悩を知る澤登氏が番組で「優勝っていうのは、格別ですか」と問いかけると、渡邉は「そうですね。ここ数年は苦しかったんですが、優勝ですべて吹き飛ばせた感じです」と口元を緩めた。

来年に延期された東京五輪代表を決める世界ランキングは、新型コロナウイルス感染拡大による試合の中止を受けて更新を停止中。現在452位の渡邉の順位が「アース・モンダミンカップ」優勝でどれくらい上がるのかは不透明だが、圏内の日本勢上位2人に向けては本人の言うとおり「遠い道のり」に変わりはない。

「いやー。本当に良かったです。最高です」と語った復活劇を機に、奇跡を見せたい。