新型コロナウイルスの影響で異例のシーズンとなっているゴルフツアー。国内女子は4日、今季4戦目の「ゴルフ5レディス」を岐阜県で迎えたが、ここまで感染者は確認されていない。6月の千葉でのシーズン開幕戦以降、ツアーは長野、北海道と舞台を移してきた。個人スポーツのゴルフが団体競技と異なるのは、選手個々人がそれぞれ異なる場所から個別に開催地との間を行き来することだ。移動は感染者が拡散するきっかけの一つとして懸念されているが、ツアーが対策の一環として実施するPCR検査はどう行われているのか?

第3戦は検査人数を絞り込み

開幕から2試合は出場選手と帯同キャディのほか、来場する全関係者を対象にPCR検査が実施された。第3戦「ニトリレディス」では、いずれも2週前に行われた「NECレディス」(長野県)と下部ツアー「rashink×RE SYU RYU/RKBレディース」(福岡県)に出場していない選手とキャディらに対象を絞り、検査を受けたのは63人だった。

日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)トーナメント事業部の志賀崇紘さんによると、「ゴルフ関連5団体(※)新型コロナウイルス対策会議」の顧問で感染症の専門医である炭山嘉伸氏(東邦大理事長)の意見を踏まえ、検査の対象者を減らした。問診票提出や大会前後の検温を前提に「PCR検査は定期的に行っている状態であれば問題はない」とのアドバイスを受け、主催スポンサーとの話し合いで決定したという。

ゴルフならではの難しさも

女子ツアーのPCR検査は、唾液による検体での判定を採用。検査会社が現地に出向き、一括して実施している。検査結果を受け取る「窓口」は大会ごとに運営が異なるが、仮に陽性判定が出た場合は個別に連絡するという。

検査は「本戦の3日前」が目安で、4日間競技の場合は月曜日になる。今季初戦となった「アース・モンダミンカップ」の際は、選手が144人と多かったため、時間を指定して振り分けた。大会運営関係者は事前に東京で行い、帯同キャディは会場の別の場所で行うなど接触を少なくする工夫を講じた。「ニトリ」では対象者が少なかったため、時間ごとの割り振りはせず、コースに設置したプレハブで実施された。

「理想を言えば日曜日に東京で一気にやりたいが、それができないから会場でやるしかない」と志賀さん。今後は連戦も増えてくる。「Jリーグやプロ野球はチームでまとめてやりやすいけど、ゴルフはその土地に移動してやらなければならない。その辺りはやはり難しいところ」と吐露し、他の主要スポーツとは異なる対応が求められると指摘する。

費用は誰が負担?

保険適用がない「自費診療」の場合、検査費用は数万円とも言われる。「アース」では、都内の臨床検査受託会社が検査を担当。費用は大会主催のアース製薬がすべて負担しており、同社の大塚達也会長は「1000万円ちょっと」と明かしていた。JLPGAは「主催者の意向もある」(志賀さん)と費用負担の詳細の公表は控えるが、「やれることをやっていく」とし、感染拡大防止と大会実施の両立に注力する意向だ。

(※)5団体は日本ゴルフ協会(JGA)、日本プロゴルフ協会(PGA)、日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)、日本ゴルフツアー機構(JGTO)、日本ゴルフトーナメント振興協会(GTPA)