渋野日向子は2021年を“再び”米ツアー本格参戦に向けた足掛かりの一年にする。2021年からの主戦場移行を目指し、20年末の予選会出場を決めていたが、新型コロナウイルスの広がりにより早々に中止が決まった。

20年シーズンの出場資格を持つ選手の権利が延長されるため、渋野は21年もスポットでの参戦を求められる立場になる。昨年は8月の米ツアー「ASIスコットランド女子オープン」から、英国と米国で計6試合の転戦を慣行。芝質やコースの特徴が毎週のように変化した2カ月の経験をしっかり自らの肥やしとし、12月の海外メジャー「全米女子オープン」では最終ラウンドを首位で迎え、最終的に4位と成長の跡を示した。

渋野が世界への気持ちの変化を初めて口にしたのは畑岡奈紗、ユ・ソヨン(韓国)と予選同組で回った19年10月の国内ツアー「日本女子オープン」だった。

同年の海外メジャー「AIG全英女子オープン」制覇直後は日本ツアーでルーキーという立場もあり、国内での活躍を第一目標に置いていたが、米ツアーで複数の優勝経験がある畑岡、ユのプレーを目の当たりにし「将来的には、と思うようになってきた。海外で自分を強くしたい気持ちもある」と純粋にレベルアップの場としても、米ツアーへの興味を示し始めていた。

20年の目標として、当初予定された東京五輪での活躍を挙げていたが、コロナ禍で延期に。スケジュールの変更に翻弄される中、夏場の海外転戦を通じて米ツアー参戦への思いを何倍も大きくした。

スコットランドで2試合続けて予選落ちした後、米国本土では4試合連続で決勝ラウンドに進んだ。初めて経験するコースや環境に刺激を受け、多くの課題を持ち帰った。米ツアーを見据えて日本でもコースマネジメントを意識した練習ラウンドを行い、基礎的な反復練習を欠かさずに準備を重ねた。全米女子オープン終了後には「夏に来たときにもっとこっち(米ツアー)で戦いたいと思うようになって、今回さらに思うようなった」と力を込めた。

年が明けてもコロナウイルス感染の拡大は続いており、21年も発表されたスケジュール通りに行われるかは不透明だ。渋野は初出場となる国内ツアーの21年初戦「ダイキンオーキッドレディス」(3月4日開幕、琉球GC)で始動する予定。すでに出場権を有する海外メジャーに加え、世界ランキングで資格を得られる試合や主催者推薦での海外参戦を見込んでいる。米ツアーへの思いを胸に、今年も戦い続ける。